セゾン情報システムズ(9640)|19年3月期ざっくりレビュー

セゾン情報システムズ(9640)が2019年3月期決算を発表しましたので、ざっくりと確認しました。

1.決算概況


売上高は▲22.2%の減収、営業利益は▲46.5%の減益となりました。

一見酷い業績に見えますが、前期が特殊要因で高利益率だったためで、巡航速度へ戻って来たような形です。

以下は長期の業績推移となります。

2.事業動向

セゾン情報システムズの主力事業は二つあり、一つが親会社のクレディセゾン向けシステムを手掛けるカードシステム事業(現・Fintechプラットフォーム事業)、もう一つがビジネス向けソフトウェア製品を扱うHULFT事業です。

カードシステム事業については、売上高が114億円(▲30.5%減)、セグメント利益が17億円(▲52.5%減)と大幅な減収減益となりました。
クレディセゾンの新基幹システム構築プロジェクトが終了したことや、旧システムの運用に係る利益が剥落したことが主な要因です。
なお、クレディセゾンの新基幹システム構築は、予算・納期を大幅に超過する大炎上プロジェクトとなり、数年前に累計▲100億円を越す最終損失を出す原因ともなっています。

もう一つのHULFT事業については、売上高が76億円(+4.4%増)、セグメント利益が15億円(+38.2%増)と好調でした。
「HULFT」というのは、同社が開発販売するファイル転送ソフトの名称であり、同分野で国内シェア1位、世界シェア2位と高い競争力を有しています。世界市場で戦える日本製のソフトウェアというのは、非常に稀有な存在と言われます。


また、本決算の開示と合わせて、同社の新配当方針が公表されました。

「自己資本比率50~75%を資本構成の目標とすること」、「自己資本配当率(DOE)10%を目安として配当を行うこと」等を定めており、この方針に従い来期は大幅な増配(45円から85円)となる予定です。

3.まとめ

増配で配当利回りが突然6%を超えることになってしまい驚きました。
株式市場ではどう評価されるのでしょうか?

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