大伸化学(4629)|19年3月期ざっくりレビュー

大伸化学(4629)が2019年3月期決算を発表しましたので、ざっくりと確認しました。

1.決算概況


売上高は+11.1%の増収、営業利益は▲13.5%の減益となりました。
減益ではあるものの、四季報予想と比べると+2割ほど上振れしていますので、そこまで悪い内容ではありません。

以下は長期の業績推移となります。

2.事業動向

大伸化学は、溶剤・シンナーの専業メーカーであり、シンナーでは国内トップシェア(30%ほど)を有しています。
ちなみに、溶材とは主に希釈(物を溶かすこと)を目的に使用される物質であり、複数の溶剤を用途に合わせて配合した製品をシンナーと言います。

当期決算は増収減益となりましたが、これはナフサ価格の上昇が影響しています。

指標となる国産ナフサ価格は、前期と当期を比較すると+20%ほどの上昇となりました。
製品の販売価格はナフサ価格に連動するため、売上高は前期比で増収となったものの、ナフサ価格の販価への転嫁が遅れたこと、運送費の上昇等から、営業利益ベースでは減益となりました。

なお、同社は正味流動資産割安株でもあり、現時点の正味流動資産が66億円(流動資産151億円-総負債85億円)なのに対し、時価総額は53億円となっています。

3.まとめ

グレアム銘柄としては収益力が高い会社であり、ナフサ価格の下落をふまえれば予想は悲観的過ぎだろうと考えて、決算前に割と買い増しをしていました。

売り圧力が強かったので悪材料を警戒していましたが、そこまで酷い数値ではなくて良かったです。やれやれ。

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