紙おむつの原材料と主なサプライヤーをまとめてみました

紙おむつの市場規模は、日本国内で約2,400億円(16年・富士キメラ総研推計)、世界全体では428億ドル(18年・ユーロモニター・インターナショナル)あり、日本勢ではユニ・チャーム、花王の2社が世界シェア上位に位置しています。

日本国内ではインバウンド需要や高齢者向けが牽引し、世界では新興国の所得の増加に伴って消費量が増加傾向、当面は堅調な伸びが見込まれる市場です。


今回は、そんな紙おむつ……本体ではなく、その主な原材料とサプライヤーをざっくりと整理してみました。

1.紙おむつの構造

尿や便もれの防止、肌触りの良さ、運動機能などの性能を実現するため、様々な材料を組み合わせて作られます。
出典:富士キメラ総研「紙おむつ・材料市場の現状と将来展望」

中心部に水分を吸収する吸水材が配置され、肌に直接触れる場所には水分を透過させつつサラっとした状態を保つ表面材、吸水剤の外側には防水シート等が使用されるのが基本構造です。また、材料同士を繋げる接着剤も必須です。

2.主な原材料とサプライヤー

(1)吸水材

吸水材は、中心部に高吸水性樹脂(SAP)と呼ばれる材料が用いられ、それを綿状パルプや吸水紙で包含する構造となっています。

SAPは、元々、1978年に三洋化成工業が世界で初めて商業生産を開始した日本発の技術であり、現在も世界シェア上位に日本触媒(4114)、住友精化(4008)、三洋化成工業(4471)の3社が名を連ねています。

なお、下表のSDPグローバルというのは、三洋化成工業が70%、豊田通商が30%を出資する合弁会社になります。
出典:富士キメラ総研「紙おむつ・材料市場の現状と展望」

(2)表面材

紙おむつ用の表面材は、不織布という素材が使用されます。
この分野を主力製品としている企業にハビックス(3895)があり、同社HPによれば原紙で国内シェア30%を有しているとのことです。

出典:ハビックスHP

(3)接着剤

複数の素材を貼り合わせる接着剤として、ホットメルトが使用されます。
出光、ヘンケルジャパン、MORESCO等が主要メーカーのようです。

MORESCO(5018)はホットメルトや潤滑油を主力製品とする独立系化学メーカーで、紙おむつ用で一定のシェアを有しているようでした。
出典:MORESCOホームページ

(4)製造装置

おむつの製造機械では、瑞光(6279)が国内シェア8割、世界シェア3割と圧倒的です。
同社については、過去に個別の分析記事を書いたことがありますので、こちらもご参照ください。(【銘柄分析】瑞光(6279)|おむつ製造機械で世界シェア首位

3.まとめ

以上の内容をまとめます。


おむつは生活必需品であり、景気循環の影響を受けにくい製品です。

僕は、景気変動の影響を受けにくく、収益性が高く、株価が割安な銘柄を選好してますが、こういう条件でスクリーニングすると紙おむつのサプライヤー企業に当たることが意外と多いんですよね。

そんなわけで、自分の頭の整理も兼ねて本記事を書いたのですが、読んでいただいた方とっても何か参考になれば幸いです。

(参考文献)
・富士キメラ総研「紙おむつ・材料市場の現状と展望」

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