グレアム銘柄で過去10年間黒字の企業(2019年4月版)

こんにちは。相場の養分かもねぎ(@kamonegi_kabu)です。

ベンジャミン・グレアムが推奨した正味流動資産割安株は、通称「グレアム銘柄」と呼ばれます。


先月に引き続き、株価が正味流動資産以下で、かつ過去10年間黒字を維持している企業をスクリーニングし、どのくらいの銘柄数があるのか調べてみました。

1.調査結果

・該当数 :53社(前月比+4社)

(1)連結決算企業

(2)単独決算企業

(注)調査方法
・時価総額:2019年4月26日の終値ベース
・正味流動資産:前期本決算における流動資産-総負債
・正味流動資産>調査日時点の時価総額となる銘柄のうち、過去10年間の最終利益がすべて黒字の企業をリスト化
・スクリーニングには「会社四季報2019春 CD-ROM」を使用
・基準日において取引の無い銘柄については、このリストには含まれていない。

2.ピックアップ銘柄

・第一建設工業(1799)

会社四季報
【特色】JR東日本系。線路工事など同社依存度約7割。非鉄道も強化。関東、信越、東北地盤。好財務
【単独事業】建設98(12)、不動産2(37) <18・3>
【後退続く】12月末受注残は118億円(前年同期比20%減)。完工増でも好採算案件の比率減。宣伝費、開発費も膨らみ営業減益。20年3月期のJR向け工事は大型案件一服。工事採算はやや下降。採用強化のための宣伝費も積み増し営業益後退続く。
【体制強化】今後予定される新幹線の大型改修に向け、人員確保や技術開発など体制強化着手。秋田駅前に大型体育施設を着工。

新潟を地盤とする鉄道工事会社です。予想PERは9.63倍、PBRは0.56倍、配当利回りは1.88%。鉄建建設(1815)や東鉄工業(1835)辺りが同業他社ですね。

鉄道は、定期的に線路のメンテナンスや冬場の除雪といった保線作業が必要になります。このような作業は特殊な作業機械が必要であり、安全運航の観点から鉄道会社もあまり発注先を代えたがらないと思われますので、一種の寡占・複占状態になっているようです。

鉄道工事会社は、このような保線工事が安定的な収益源となり、更にJR等が発注する土木・建設工事の受注につなげて好調な業績を維持している会社が多いです。

第一建設工業の長期業績は以下の通りで、一見資産バリュー株とは見えない業績です。

3.まとめ

先月の調査結果と比べると、該当社数は+4社増の53社となりました。資産バリュー系にはあまり資金が入らない状況が続いていますね。

ただし、スクリーニングに使用したソフトウェアの仕様上、流動性が薄く調査日に取引がゼロだった銘柄は結果に出てきません。完全に網羅された調査ではない点、ご留意いただければ幸いです。

先月の調査結果はこちら

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