【銘柄分析】瑞光(6279)|おむつ製造機械で世界シェア首位

こんにちは。相場の養分かもねぎ(@kamonegi_kabu)と申します。

今回は衛生用品製造機械で世界シェア1位の瑞光(6279)の銘柄分析を行います。


瑞光(6279)は「おむつ」や「生理用ナプキン」の製造装置でトップメーカーですが、業績変動の激しさと経済の先行きへの警戒感が相まって、株価は5年近くズルズル下落を続けています。


バリュー投資家には逆張り主義者が多いと思いますので、こういった銘柄を見るとワクワクした気持ちになりませんでしょうか?(僕はなります)

同じような気持ちを抱いた方には、ぜひ本記事をご覧いただければ幸いです。

目次
1.事業内容
2.財務状況
3.まとめ

1.瑞光の事業内容

同社は衛生用品の製造機械で国内シェア80%世界シェア30%を確保しています。

出典:瑞光2018年2月期決算説明資料より

1961年に生理用ナプキン1号機を発売し、以降、50年以上に渡って衛生用品の専門機械を開発・製造・販売し続けてる老舗メーカーです。

日本の衛生用品は世界でも最高水準にあると言われ、花王やユニ・チャームの製品は、アジア圏で高級品としても人気があります。

これらの製品の品質を支えるのが瑞光の製造装置であり、日本のトップメーカーとの取引で培ったノウハウ・技術・特許が同社の強みとなっています。

出典:瑞光ホームページ

近年は海外との取引も増え、年度によって変動はあるものの、海外売上が50%~75%を占めます。

地域別にはやはりアジア圏の割合が大きいようです。

出典:瑞光2018年2月期決算説明資料

2.瑞光の財務状況

(1)収益面

まず、瑞光の過去の業績推移を確認します。
数値は各年度の有価証券報告書における「主要な経営指標等の推移」を拾いました。

紙おむつは需要の安定した生活必需品ですが、その製造装置を扱う同社の業績は、安定とはほど遠いジェットコースターのような推移です。

同じ機械メーカーでも、メンテナンスや消耗品といったストック収益があれば違うのでしょうが、瑞光の場合、ほぼ完成品の販売のみであるため、こうなってしまいます。
一応、補修用の部品販売などは行っていますが、売上に占める比率は5%程度に過ぎません。

とはいえ、業績の大底でも赤字に陥ることはなく、調子の良い時には15%のROEを叩き出しますので、収益力が低いわけではありません。

2019年2月期の会社予想は、売上高252億円(+14.3%)、当期利益は12億円(+93.2%)です。

(2)資産価値

ここでは、ベンジャミン・グレアムの提唱した「正味流動資産価値」を見ます。

直近決算(19年2月期第3四半期)を見ると、正味流動資産は154億円となり、一方の時価総額(自社株を除くベース)は158億円とほぼ同水準です。他にも換金しやすい資産として、投資有価証券11億円も保有していますので、資産価値から見て割安さがあります。


ただし、同社の製品は顧客の工場に据え付ける大掛かりな装置であり、BSを見ると仕掛品の割合がだいぶ大きいです。
純粋に清算価値を見るのであれば、一定の係数を乗じる必要があるでしょう。


決算書を経年で眺めても、棚卸資産の回転率が徐々に悪化しているような印象を受けました。

長期化していると思われる製造リードタイムの削減を行い、資産効率の向上と原価低減を目指せば、総合的な企業価値が向上するような気がします。

3.まとめ

最後に現時点(2019年2月8日)の瑞光の株価指標を確認します。

・予想PER   :12.32倍
・実績PBR   :  0.66倍
・予想配当利回り:  2.07倍

競争力はあるものの業績変動の激しい装置メーカー」というカテゴリーは、購入のタイミングがとても難しいのですが、経験則として、正味流動資産価値を明確に割るくらいの水準が結果として底値圏だったことが多いです。


ちょうど株式市場の先行きが怪しくなってきたタイミングですので、株価が1~2割下げたら購入してみようかな…と、かもねぎファンドの監視リストに入れました。


なお、投資は自己判断でお願いいたします。


本ブログ内で銘柄分析を行った企業の一覧を作成しました。

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