こんにちは。相場の養分かもねぎ(@kamonegi_kabu)と申します。
今回は寿司ロボット最大手の鈴茂器工(6405)の銘柄分析を行います。
鈴茂器工は、ここ数年間ニッチな分野のシェアトップ企業として株式市場で人気がありました。
しかし、株価は2017年7月に上場来高値(3,085円)を付けて以降、ジワジワと値を下げていき、2018年10月に業績の下方修正をすると急落。現在の株価は、ピーク時の1/3ほどにまで沈んでいます。
さて、こうして相場から見放された時こそバリュー投資家の出番です。
投資妙味があるかどうか精査してみましょうか。
目次
1.事業内容
2.財務状況
3.まとめ
同社は、1981年に世界初の寿司ロボットを開発。自社の技術を特許権で守りながら優位性を維持し、世界シェアトップの地位を確保しています。
また、米飯を「ほぐす」「計量する」「成形する」「包装する」といった技術を生かして、おにぎりや海苔巻きを製造するロボット、ご飯を丼に盛り付けるロボット等に展開しています。
近年は海外での日本食人気に連れて輸出も増加。さらに、同社のご飯盛り付けロボットが牛丼チェーンに採用される等、人手不足に悩む外食産業における省力化投資の恩恵も受けています。
大きなトレンドを見る限り、同社の機械へのニーズは今後も増えていくと考えられます。
数値は各年度の有価証券報告書における「主要な経営指標等の推移」を拾いました。
また、最下段に当期の四季報業績予想を記載しています。
10年近く右肩上がりが続いておりましたが、今期は経常利益が▲64%減と大幅に落ち込む見通しです。
会社側の発表資料によれば、①主要顧客の出店数が想定よりも減った、②予定していた新規機械の開発が遅れている、の2点が主因のようです。
開発の遅れはともかくとしまして、鈴茂器工は機械メーカーであるため、顧客の設備投資抑制の影響を受けるのは避けられません。
過去の業績を見ても、2006年度に好況期にも関わらず▲60%近い減益決算となったことがあります。
ちなみに、この時は約2年で業績はかなり盛り返しました。(その後、リーマンショックが起きて2番底となったのですが…)
今回の減益局面についても、やはり1~2年ほど我慢すれば、業績回復が見込めるのではないでしょうか?
鈴茂器工についていえば、直近決算(19年3月期第2四半期)における正味流動資産は74億円(流動資産94億円-総負債20億円)となっており、これに対して現在の時価総額は71億円。時価総額が正味流動資産を下回る割安圏です。
資産の中身を見ても、現預金が全体の50%を占めており全く問題ありません。
鈴茂器工は、株価が高かった時期(18年3月)に第三者割当増資をしたのですが、結果として非常に良いタイミングの資金調達となった格好です。
・予想PER 23.78倍
・実績PBR 0.64倍
・予想配当利回り 1.82%
利益がピーク水準まで回復すれば、PERは8倍くらいでしょうか。資産価値から見ても下値は限られますので、業績回復を待てばそこそこのリターンは得られそうな感じです。
なお、かもねぎファンドでも購入するか悩みましたが、今のところは見送りとしています。しばらくウォッチしつつ、株価が1,000円を割れば打診買いを入れたいところです。
なお、投資は自己判断でお願いいたします。
本ブログ内で銘柄分析を行った企業の一覧を作成しました。
今回は寿司ロボット最大手の鈴茂器工(6405)の銘柄分析を行います。
鈴茂器工は、ここ数年間ニッチな分野のシェアトップ企業として株式市場で人気がありました。
しかし、株価は2017年7月に上場来高値(3,085円)を付けて以降、ジワジワと値を下げていき、2018年10月に業績の下方修正をすると急落。現在の株価は、ピーク時の1/3ほどにまで沈んでいます。
鈴茂器工(6405)の過去2年間のチャート |
さて、こうして相場から見放された時こそバリュー投資家の出番です。
投資妙味があるかどうか精査してみましょうか。
目次
1.事業内容
2.財務状況
3.まとめ
1.鈴茂器工の事業内容
鈴茂器工の代名詞といえば、寿司のシャリを自動で握る機械、通称「寿司ロボット」です。鈴茂器工製品紹介ページ |
同社は、1981年に世界初の寿司ロボットを開発。自社の技術を特許権で守りながら優位性を維持し、世界シェアトップの地位を確保しています。
鈴茂器工HPより |
また、米飯を「ほぐす」「計量する」「成形する」「包装する」といった技術を生かして、おにぎりや海苔巻きを製造するロボット、ご飯を丼に盛り付けるロボット等に展開しています。
近年は海外での日本食人気に連れて輸出も増加。さらに、同社のご飯盛り付けロボットが牛丼チェーンに採用される等、人手不足に悩む外食産業における省力化投資の恩恵も受けています。
大きなトレンドを見る限り、同社の機械へのニーズは今後も増えていくと考えられます。
2.鈴茂器工の財務状況
(1)収益面
まず、鈴茂器工の過去の業績推移を確認します。数値は各年度の有価証券報告書における「主要な経営指標等の推移」を拾いました。
また、最下段に当期の四季報業績予想を記載しています。
10年近く右肩上がりが続いておりましたが、今期は経常利益が▲64%減と大幅に落ち込む見通しです。
会社側の発表資料によれば、①主要顧客の出店数が想定よりも減った、②予定していた新規機械の開発が遅れている、の2点が主因のようです。
鈴茂器工「業績予想(連結・個別)の修正に関するお知らせ(H30.10.30) |
開発の遅れはともかくとしまして、鈴茂器工は機械メーカーであるため、顧客の設備投資抑制の影響を受けるのは避けられません。
過去の業績を見ても、2006年度に好況期にも関わらず▲60%近い減益決算となったことがあります。
ちなみに、この時は約2年で業績はかなり盛り返しました。(その後、リーマンショックが起きて2番底となったのですが…)
今回の減益局面についても、やはり1~2年ほど我慢すれば、業績回復が見込めるのではないでしょうか?
(2)資産価値
ここでは、ベンジャミン・グレアムの提唱した「正味流動資産価値」を中心に見ます。鈴茂器工についていえば、直近決算(19年3月期第2四半期)における正味流動資産は74億円(流動資産94億円-総負債20億円)となっており、これに対して現在の時価総額は71億円。時価総額が正味流動資産を下回る割安圏です。
資産の中身を見ても、現預金が全体の50%を占めており全く問題ありません。
鈴茂器工は、株価が高かった時期(18年3月)に第三者割当増資をしたのですが、結果として非常に良いタイミングの資金調達となった格好です。
3.まとめ
最後に、現時点(2019/1/21)の鈴茂器工の株価指標を確認します。・予想PER 23.78倍
・実績PBR 0.64倍
・予想配当利回り 1.82%
利益がピーク水準まで回復すれば、PERは8倍くらいでしょうか。資産価値から見ても下値は限られますので、業績回復を待てばそこそこのリターンは得られそうな感じです。
なお、かもねぎファンドでも購入するか悩みましたが、今のところは見送りとしています。しばらくウォッチしつつ、株価が1,000円を割れば打診買いを入れたいところです。
なお、投資は自己判断でお願いいたします。
本ブログ内で銘柄分析を行った企業の一覧を作成しました。
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