こんにちは。相場の養分かもねぎ(@kamonegi_kabu)と申します。
本日、船舶用バルブ最大手の中北製作所(6496)を打診買いしました。
1/9時点の株価に基づくと、
・予想PER 9.75倍
・実績PBR 0.44倍
・予想配当利回り 3.94%
と割安感があり、更に資産価値の観点から見ても底値は固いだろうと判断したからです。
以下、簡単ですが投資に至った理由をまとめてみたいと思います。
1.企業概要
(1)事業内容
(2)市場動向
2.財務分析
(1)収益面
(2)資産面
3.まとめ
特にタンカー等の大型船舶に使用されるバタフライバルブとその遠隔操作装置等に強く、シェアは日本国内でほぼ100%、中国・韓国でもタンカー向けで約50%とのことです。(出典:中北製作所採用HP)
同社の決算説明資料から売上内訳を見ると以下の通りであり、船用が全体の3/4を占めています。
以下は、国交省海事局が平成29年12月に公表したレポート「造船市場の現状」に記載されていた新造船竣工量推移のグラフです。
2011年頃にピークを迎えた新造船の竣工量は、その後大幅に落ち込んでいることが見て取れます。
一方、実需(荷動き量)は世界経済の成長に伴い増加を続けており、この点は明るい材料と思われます。(米中貿易戦争で伸びは落ち込むかもしれませんが…)
なお、中北製作所は、新造船への製品納入だけでなく、稼働中の船舶向けの補修・メンテも行っており、近年では売上高の1~2割くらいは、こういったアフターマーケット向けが占めているようでした。(IRより聞き取り)
保守メンテナンスは、一般に景気の変動を受けにくい安定的な売上となる傾向があるため、同社の売上を下支えしているものと思われます。
数値は各年度の有価証券報告書における「主要な経営指標等の推移」を拾いました。
業績の波は激しく、それほど高収益とも言えませんが、最悪期でも一定の利益を計上し、配当の支払いも継続(減配はありますが)している点は評価できると思います。
なお、当期の予想配当は一株当たり100円であり、前期から▲40円の減配となっています。
グレアムが用いた投資戦略として有名なのが、正味流動資産割安株に分散投資をする方法です。グレアムの著書『賢明な投資家』から該当箇所を抜粋すると・・・
・・・といった具合になります。
中北製作所についていえば、前期決算における正味流動資産は149億円(流動資産212億円-総負債62億円)となっており、これに対して現在の時価総額は97億円。
時価総額が正味流動資産の2/3である「ネットネット株」となっています。
業績の見通しはあまり明るくないものの、世界シェアの高い製品を有しており、過去15年間以上赤字に陥っていない企業です。ネットネット水準の株価で買えるのは投資妙味が大きいと思ったのですが、いかがでしょうか。
投資は自己責任でお願いいたします。
本ブログ内で銘柄分析を行った企業の一覧を作成しました。
本日、船舶用バルブ最大手の中北製作所(6496)を打診買いしました。
1/9時点の株価に基づくと、
・予想PER 9.75倍
・実績PBR 0.44倍
・予想配当利回り 3.94%
と割安感があり、更に資産価値の観点から見ても底値は固いだろうと判断したからです。
以下、簡単ですが投資に至った理由をまとめてみたいと思います。
1.企業概要
(1)事業内容
(2)市場動向
2.財務分析
(1)収益面
(2)資産面
3.まとめ
1.企業概要
(1)事業内容
中北製作所は船舶用バルブのトップメーカーです。特にタンカー等の大型船舶に使用されるバタフライバルブとその遠隔操作装置等に強く、シェアは日本国内でほぼ100%、中国・韓国でもタンカー向けで約50%とのことです。(出典:中北製作所採用HP)
同社の決算説明資料から売上内訳を見ると以下の通りであり、船用が全体の3/4を占めています。
出典:中北製作所 平成30年5月期決算説明資料 |
(2)市場動向
中北製作所が主なターゲットとする新造船市場については、海運市況の高騰期(2008年頃)に大量の船舶が発注され、その後の反動減により厳しい状況が続いています。以下は、国交省海事局が平成29年12月に公表したレポート「造船市場の現状」に記載されていた新造船竣工量推移のグラフです。
2011年頃にピークを迎えた新造船の竣工量は、その後大幅に落ち込んでいることが見て取れます。
一方、実需(荷動き量)は世界経済の成長に伴い増加を続けており、この点は明るい材料と思われます。(米中貿易戦争で伸びは落ち込むかもしれませんが…)
なお、中北製作所は、新造船への製品納入だけでなく、稼働中の船舶向けの補修・メンテも行っており、近年では売上高の1~2割くらいは、こういったアフターマーケット向けが占めているようでした。(IRより聞き取り)
保守メンテナンスは、一般に景気の変動を受けにくい安定的な売上となる傾向があるため、同社の売上を下支えしているものと思われます。
2.財務分析
(1)収益面
まず、中北製作所の過去の業績推移を確認します。数値は各年度の有価証券報告書における「主要な経営指標等の推移」を拾いました。
業績の波は激しく、それほど高収益とも言えませんが、最悪期でも一定の利益を計上し、配当の支払いも継続(減配はありますが)している点は評価できると思います。
なお、当期の予想配当は一株当たり100円であり、前期から▲40円の減配となっています。
(2)資産面
ここでは、ベンジャミン・グレアムの提唱した「正味流動資産価値」を見ます。グレアムが用いた投資戦略として有名なのが、正味流動資産割安株に分散投資をする方法です。グレアムの著書『賢明な投資家』から該当箇所を抜粋すると・・・
この売買法の基本は、正味流動資産のみを考えた(つまり、工場設備を含むその他の資産は考慮に入れない)簿価よりも安い価格で買える株をなるべく多く取得することである。われわれが買い付けた銘柄のほとんどは、この「スリム化された」資産価値の、3分の2以下の価格で入手したものである。この方法で毎年、幅広い分散投資(100銘柄以上)を行っていた。
・・・といった具合になります。
中北製作所についていえば、前期決算における正味流動資産は149億円(流動資産212億円-総負債62億円)となっており、これに対して現在の時価総額は97億円。
時価総額が正味流動資産の2/3である「ネットネット株」となっています。
3.まとめ
以上で中北製作所の銘柄分析は終了となります。業績の見通しはあまり明るくないものの、世界シェアの高い製品を有しており、過去15年間以上赤字に陥っていない企業です。ネットネット水準の株価で買えるのは投資妙味が大きいと思ったのですが、いかがでしょうか。
投資は自己責任でお願いいたします。
本ブログ内で銘柄分析を行った企業の一覧を作成しました。
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