グレアム銘柄で過去10年間黒字の企業(2019年3月版)

こんにちは。相場の養分かもねぎ(@kamonegi_kabu)です。

ベンジャミン・グレアムが推奨した正味流動資産割安株は、通称「グレアム銘柄」と呼ばれます。



先月に引き続き、株価が正味流動資産以下で、かつ過去10年間黒字を維持している企業をスクリーニングし、どのくらいの銘柄数があるのか調べてみました。

1.調査結果

・該当数 :49社(前月比+4社)

(1)連結決算企業

(2)単独決算企業

(注)調査方法
・時価総額:2019年3月29日の終値ベース
・正味流動資産:前期本決算における流動資産-総負債
・正味流動資産>調査日時点の時価総額となる銘柄のうち、過去10年間の最終利益がすべて黒字の企業をリスト化
・スクリーニングには「会社四季報2019春 CD-ROM」を使用
・基準日において取引の無い銘柄については、このリストには含まれていない。

2.ピックアップ銘柄

・カネソウ(5979)

会社四季報
【特色】建築金具の総合メーカー。免震EXジョイント、意匠性高いスリット溝ぶた主力に首都圏を拡大
【単独事業】鋳鉄器材25、スチール機材17、製作金物50、他8 <18・3>
【堅 調】天候不順で前半不調。が、後半は材料価上昇分の価格転嫁進み想定超。前号比で増益幅拡大。20年3月期は東京五輪前でビル外構製品等拡大。価格改定効果を通期で享受。材料高も緩む。営業増益基調。
【照 準】19年度は停滞していた免震製品に営業注力。病院、商業施設に照準。免震製品用試験装置の第3次拡充完了、19年度フル寄与。品質、信頼性で競合と差をつける。

名証二部上場の建築金具メーカーさんです。予想PERは27.4倍、PBRは0.46倍、配当利回りは3.45%。

同社の直近決算における貸借対照表をご覧ください。


現在の時価総額が62億円なのに対し、正味流動資産が99億円とネットネット銘柄となっています。

更に、ネットネット株は在庫や売掛金が膨らんでいる事例(資産価値が怪しい)も多いのですが、同社は流動資産のうち非常に換金性の高い「現金及び預金」と「有価証券」の合計額が94億円あり、ここから総負債20億円を引くと74億円

保有している短期の金融資産で、全ての負債と株式を買い取って、尚おつりが来る株価水準となっているわけです。

PERはやや高めですが、資産価値から見れば抜群に安いですね。

3.まとめ

先月の調査結果と比べると、該当社数は+4社増の49社となりました。おおむね横ばいです。

ただし、スクリーニングに使用したソフトウェアの仕様上、流動性が薄く調査日に取引がゼロだった銘柄は結果に出てきません。完全に網羅された調査ではない点、ご留意いただければ幸いです。


先月の調査結果はこちら


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