リコーリース(8566)|21年3月期ざっくりレビュー

 リコーリース(8566)が2021年3月期決算を発表しましたので、ざっくりと確認しました。

1.決算概況

売上高は▲1.8%の減収、営業利益は+2.7%の増益となりました。

以下は長期の業績推移です。

2.事業動向

リコーリースは、大きく3つのセグメントで事業を展開しています。

主力の「リース&ファイナンス事業」は、売上高が▲2.7%減、セグメント利益が▲0.2%減と減収減益でした。

前期はパソコンOSの更新需要や消費税増税前の駆け込み需要があった一方、当期はコロナの影響により設備投資の抑制傾向が続いたため、新規取扱高が減少しました。貸倒引当金の繰入額も増加したようです。
その割には利益が落ち込んでいませんが、これは新規契約獲得利回りの改善に努めたことが影響しているようです。
リース債権の流動化も実施しているようですので、営業資産の拡大から、質と利回りの向上に舵を切ったような印象を受けます。

第二の柱である「サービス事業」では、集金代行や医療・介護報酬のファクタリングを展開しています。売上高が+3.9%増、セグメント利益が▲0.2%減と増収微減益でした。
医療・介護報酬のファクタリングにおいて、公的支援の充実によりリコーリースのサービスの解約が出る…といった思わぬ影響が出たようです。

最後のインベストメント事業は、売上高が+172%増、セグメント利益が+125%増と大きく伸長しました。
上場リース会社の多くは、銀行と比べて規制が緩いことを生かして、様々な投資事業に乗り出していますが、遅ればせながらリコーリースもこの分野に注力し始めたようです。
リコーリースが投資対象とするのは、国内の賃貸住宅と太陽光発電の2種類、手堅い分野でこの会社らしいな、と思います。

3.まとめ

リコーリースは日本屈指の連続増配銘柄であり、今期で連続増配年数が26年に伸びました。

ROEが長期的に下落傾向にありますので、株価が割安な局面では自社株買いの継続実施も検討していただければ、尚ありがたいところです。

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