東亜道路工業(1882)が2021年3月期決算を発表しましたので、ざっくりと確認しました。
1.決算概況
売上高は+2.5%の増収、営業利益は+50.8%の増益となりました。
以下は長期の業績推移となります。
2.事業動向
東亜道路工業は、独立系の道路工事会社です。
道路工事会社は主として官公庁・自治体・道路会社から工事を請け負います。
大手企業はアスファルト合材の製造工場を全国に有しており、自社工事に資材を供給するととも、地場の工事会社に資材を販売する製版一体のビジネスモデルとなっている点が特徴です。
東亜道路工業の当期業績をセグメント別に確認します。
建設事業は売上高735億円(前期比+1.4%増)、セグメント利益40億円(同+20.5%増)と増収増益でした。公共工事への新型コロナの影響は軽微であり、受注高・次期繰越高も増加するなど事業環境は良好でした。
もう一方の建設材料等の製造販売事業は、売上高382億円(前期比+4.5%増)、セグメント利益51億円(同+48.2%増)と大幅増益でした。
これは、原料であるアスファルトの価格が下落したことで利幅が増加したことが影響しております。アスファルト価格は期末にかけて上昇傾向ですので、来期以降はマージンが圧縮されることが予想されます。
3.まとめ
現行中期計画では。2022年3月期に営業利益71億円、当期利益46億円、自己資本比率53.2%を目指すといった目標を立てておりましたが、原料価格の低下といった市況の追い風もあり、1年前倒しで計数計画を達成することとなりました。
そんな中、本決算と合わせて、2024年3月期を最終年度とする新たな中期計画を策定・公表していました。
業績目標としては、原料価格の高騰の見込まれる来期は一度落ち込むものの、3年後には2021年3月期の水準を超えることを目標としています。具体的な施策としては、「収益基盤の強化」「事業領域の拡大」「技術開発」「DX」等テーマを掲げて取り組んでいく方針のようです。
個人的には、「アスファルト合材製版におけるシェア拡大」、「M&A・アライアンスの推進」、「重機類の自動制御・省人化」といった取り組みに期待があります。
こちらは株主還元に関する考え方です。来期は一株当たり180円に増配をしたうえで、この配当額をベースラインとして、事業動向に応じて更なる還元を実施するように読み取れます。
中計は全体的にバランスの良い内容だと思いました。
当初は、アスファルト価格下落に伴う利益の増加を見越してやや短い時間軸で投資したのですが、中長期的に保有しても良い会社かもしれないな、と思い直しました。PERも現状で5倍程度と格安ですしね。
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