ディーエムエス(9782)|21年3月期ざっくりレビュー

ディーエムエス(9782)が2021年3月期決算を発表しましたので、ざっくりと確認しました。

1.決算概況

売上高は▲5.2%の減収、営業利益は▲14.0%の減益となりました。

以下は長期の業績推移となります。

2.事業動向

ディーエムエスは、ダイレクトメール(DM)の発送代行で国内首位の企業です。

DMの国内市場規模は、電通「日本の広告市場」によれば3,600億円ほどと推計されています。市場は縮小傾向ではあるものの、メルマガと比べても顧客の開封率が高い点が評価され、通販企業等の利用が伸びていることから、伝統4媒体ほどの落ち込みはありません。

当期のセグメント別の業績動向を確認します。
本業のダイレクトメール(DM)事業は、前期比99.2%とほぼ横ばいでした。
一方で、それ以外の事業分野は落ち込みが目立ち、特にイベント運営受託は売上高が半減しました。コロナの影響が色濃い部分ですね。


こちらは四半期別のDM事業の売上・利益動向です。
売上高は7-9月を底に回復傾向にあり、利益水準はコロナ前を回復しているような状況です。


業態別にみると、最大顧客である通信販売企業からのニーズは堅調であり、自治体・公共機関向けの売上も拡大したようです。

3.まとめ

DMSはダイレクトメール発送代行で年々シェアを拡大しており、僕は「縮小市場の成長企業」というシナリオで投資しています。

基本的にダイレクトメール事業は規模の経済が働きます。
コストの大部分は送料で、ここはボリュームディスカウントにより抑制可能。また、情報管理体制の整備や発送機械等の設備投資についても規模の経済が働き、シェアの増大が更なるコスト競争力の増に繋がります。
過去には、売上が伸びても社員数は増加せず、採算性もアップする構造でした。

最大手の強みを生かして一層のシェア拡大・独り勝ちを目指していって欲しいです。

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