ナンシン(7399)|21年3月期ざっくりレビュー

ナンシン(7399)が2021年3月期決算を発表しましたので、ざっくりと確認しました。

1.決算概況

売上高は▲3.5%の減収、営業利益は+51.8%の増益となりました。

以下は長期の業績推移となります。

2.事業動向

ナンシンは、家具や台車の底面に付けられている移動用の車輪「キャスター」における国内トップ企業です。
用途は物流向けが全体の1/3程度を占め、他にも機械装置やOA機器、建築関係の仮説機器や医療用ベッド等、幅広い分野で使用されています。

当期業績については、医療関係の特注が急増する中で、医療用キャスターや牽引キャスターなどの高付加価値製品の販売に注力し、売上総利益の向上が図られたようです。

同社は地域別に業績を公表していますので、当期の結果を確認します。

「日本」は、売上高8,181百万円(前年同期比▲2.3%減)、営業利益349百万円(同+23.6%減)と増益。
「マレーシア」は、売上高2,284百万円(前年同期比▲11.3%減)、営業利益106百万円(同+201.5%増)と減収ながら増益。
「中国」も、売上高2,012百万円(前年同期比+13.0%減)、営業利益268百万円(+87.1%増)と増収増益。

また、2012年頃に撤退した旧イギリス工場の定期賃貸借契約が終了し、原状回復費用を特別損失に計上することとなりました。

3.まとめ

ナンシンは資産バリュー株であるため、最後に資産価値を確認します。

足元の正味流動資産59億円に対し、時価総額は40億円(自社株除くベース)。株価は資産価値を大幅に下回っています。
一般株主としては、株価が割安な局面では積極的な自社株買いの実施を検討していただきたいところです。

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