松本油脂製薬(4365)|21年3月期ざっくりレビュー

松本油脂製薬(4365)が2021年3月期決算を発表しましたので、ざっくりと確認しました。

1.決算概況

売上高は▲5.7%の減収、営業利益は▲17.0%の減益となりました。

以下は長期の業績推移となります。

2.事業動向

松本油脂製薬は、界面活性剤や自動車内装材等に使用される「熱膨張性マイクロカプセル」を開発販売している化学メーカーです。

界面活性剤については、主力の衣料分野向けが国内を中心に不調だったようです。短信には説明がないものの、基本的には新型コロナウイルスに伴うアパレル産業の不振が影響しているはずです。
熱膨張性マイクロカプセルについては、やはり衣料分野向けがイマイチでしたが、主用途である自動車向けが第4四半期より回復したようです。

四半期ごとの業績を見ると、上期の落ち込みが大きかったものの、下期にはコロナ前の水準を回復、最終的には会社予想を5割近く上回っての着地となりました。

3.まとめ

松本油脂製薬はコテコテの資産バリュー株であるため、最後に資産価値の方も確認します。

正味流動資産価値は427億円(流動資産520億円-総負債103億円)となり、この他にも投資有価証券を79億円保有しています。
一方で松本油脂製薬の時価総額(自社株除くベース)は336億円となり、株価は正味流動資産価値を下回ります。投資有価証券も含めれば実質ネットネットですね。

株主還元を増やす余地は十分ありますし、潤沢な資金を使ってM&A等の投資を行うこともできるでしょう。経営陣のスタンスで株主価値が破壊されているといってもおかしくないと思います、相変わらず非常にもったいない企業という感じですね。

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