四国化成工業(4099)|20年3月期ざっくりレビュー

四国化成工業(4099)が2020年3月期決算を発表しましたので、ざっくりと確認しました。

1.決算概況

売上高は▲2.4%の減収、営業利益は▲2.5%の減益となりました。

以下は長期の業績推移となります。

2.事業動向

四国化成工業は、香川県丸亀市に本社を構える化学品・建材メーカーです。
タイヤの原料やプリント配線板の防錆剤、プールの消毒剤等で世界シェア1位・2位の製品を多数有するグローバルニッチトップメーカーです。

当期のセグメント別の業績を確認します。

まず化学品事業は、売上高301億50百万円(前年同期比▲5.4%)、セグメント利益56億56百万円(前年同期比▲10.8%)と減収減益でした。
タイヤ原料が海外市場で低調だったとともに、米中貿易摩擦や新型コロナウイルスの影響で、プリント配線板の防錆剤が不調だったようです。

もう一方の建材事業は、売上高206億19百万円(前年同期比+2.5%)、セグメント利益39億66百万円(前年同期比+12.5%の増益)と増収増益でした。
建材部門の主力製品は、門扉やフェンス等のエクステリア類ですが、2年前の大阪府北部地震におけるブロック塀の倒壊事故等を受け、軽量で安全性の高い同社製品の需要が伸びているようです。

来期以降の見通しですが、足元で注力する製品は「塩素化イソシアヌル酸」というプールや浄化槽の消毒剤です。船のバラスト水浄化用途への拡販を目指しており、来期には数十億円を投じて新プラント建設を予定しています。

業績予想については、新型コロナの影響が読めないため、未定となっています。

3.まとめ

米中貿易摩擦の影響で外需系の製造業が全般に苦しい中、業績面ではとても健闘した内容と思います。
来期も新型コロナウイルスの影響で厳しい環境が続きますが、讃岐うどんのように粘り強い業績を期待したいです。

0 件のコメント :

コメントを投稿