シンメンテHD(6086)|20年2月期ざっくりレビュー

シンメンテHD(6086)が2020年2月期決算を発表しましたので、ざっくりと確認しました。

1.決算概況

売上高は+10.8%の増収、営業利益は+33.6%の増益となりました。

以下は長期の業績推移となります。

2.事業動向

シンメンテHDは、設備や厨房機器の修理をしたい飲食店や小売店と、日本全国の修理・保守業者を仲介するビジネスを行っています。

汚い言い方をすれば「手配師」「中抜き屋」という業態ですが、設備の専門でない店舗担当者からすれば、1件1件の修理ごとに都度修理会社を探すのは大変ですし、出てきた修理費の見積もりが適切かどうかも判断が付かなかったりしますので、こういう会社があると重宝すると思います。

同社は18年2月期に乃村工藝社の子会社で同業種のテスコを買収、これがここ数年の飛躍のきっかけになりました。

買収当時のテスコの利益率は本体よりも低かったのですが、協力会社の共有化や原価の精査、各部署の機能・リソースの共有を通してグループ全体の販管費が下がったことで、昨年度・今年度と利益率は大きく向上しました。


ただ、同社にとって問題なのは、前期の業績より今後の見通しです。

新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、同社の主要顧客である飲食店は営業自粛を迫られており、業績への悪影響を懸念して、株価はこの1~2ヵ月で約半分に下落しています。

まず、来期予想を見ると、「現段階において合理的に算定することが困難なことから未定としております。」と非開示となっています。

ただし、決算補足説明資料の方で新型コロナウイルスについて定性的な記述がありましたので、こっちを確認しましょう。(赤字はかもねぎが追記)
シンメンテHD 決算補足説明資料
まず、「メンテナンスサービスにおいても、受注件数に影響が及んでいます」とある通り、当然、業績への悪影響は受けているようです。

一方で、「長い期間の店舗停止を経験したことのない店舗が多い中、停止期間中の定期点検・作業、店舗再開時の技術サポートを求められる事案が増えている」との記載もあります。
体力のある外食企業であれば、この機会に使い込んだ厨房機器の点検を実施したいと考えるかもしれませんし、中断した店舗の再開時には、今度はスポット的な修理需要が増えるかもしれません。

悪材料はありつつも、このように一定のポジティブな面もあるという見立てで、投資家からすると安心材料になるように思われました。

3.まとめ

警戒していた来期の見通しは、「思ったほどは悪くないかな」という印象でした。

PTSを見たら株価が吹いていたので、同じように思った人が多いのかもしれません。(出遅れ)

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