こんにちは。相場の養分かもねぎ(@kamonegi_kabu)と申します。
今回は日焼け止めの原材料で世界シェア首位を有するテイカ(4027)を見てみます。
目次
1.事業内容
2.財務状況
3.まとめ
現在は祖業の肥料製造からは撤退しており、酸化チタン関連事業とその他事業が売上ベースで半々を占めます。
それでは事業別に概況を見てみましょう。
酸化チタンは、塗料の原料など幅広い産業分野で使用される製品です。テイカは汎用用途の販売もしていますが、主力製品は日焼け止め用途に使われる「微粒子酸化チタン」と「微粒子酸化亜鉛」であり、それぞれ世界シェア1位を有しています。
ちなみに酸化チタン・酸化亜鉛が日焼け止めに使われる仕組みはこうです。
日焼けは紫外線を皮膚に浴びることで起きます。地表に届く紫外線には紫外線A波(UVA)と紫外線B波(UVB)という2種類があり、酸化亜鉛はUVAを、酸化チタンはUVBを遮蔽する効果があり、これを配合すると皮膚に紫外線が届きにくくなるのです。
「微粒子酸化チタン」に関するテイカの強みとしては、日焼け止め用途では他社に先駆けて販売し、国内外で多数の化粧品メーカーと取引があることから、技術情報等様々な情報を入手することができ、それらを迅速に研究・販売に反映できる点にあります。
その他、米国薬局方や欧州化粧品規格に対応した製品を生産しているため、すべての国に対応した製品を供給できる点や、化粧品メーカーの要望に合わせた表面処理も自社で一貫して手掛けている点も強みになります。
新興国の経済発展等もあり、日焼け止めの市場は堅調に伸びており、テイカの化粧品向けビジネスも成長してきました。
10年前(2009年春)の生産能力は年1,200トンほどでしたが、数度の増産投資を経て足元の生産能力は3,600トン、2020年末には5,200トンに増加する見通しです。
また近年は、化粧品分野の取扱い製品を広げており、「セリサイト」という化粧品原料を販売する合弁会社を立ち上げたり、米アシュランド社と提携して有機系の紫外線吸収剤の販売を開始しています。
過去10年の業績は以下の通りです。
主な製品は、硫酸・界面活性剤・導電材料といった化学製品、その他に倉庫業(物流サービス)等も含まれます。
医療機器に使用される「圧電セラミックス」という製品では、世界シェア首位を有しているようです。
過去10年の業績は以下の通り。
酸化チタン関連事業と比べれば利益率は低いですが、決してお荷物事業と言うわけではありません。
数値は各年度の有価証券報告書の「主要な経営指標等の推移」を拾いました。
リーマンショックの時期には一時的に業績が落ち込みましたが、売上・利益ともに右肩上がりで成長してきています。
ちょこちょこ自社株買い戻しを実施している点も個人的に評価が高いです。
一株当たりの正味流動資産価値は765円ほど、他に一株当たり490円ほど投資有価証券を保有していますので、株価が1,250円くらいまで落ちれば資産価値未満で購入できる水準と言えそうです。
調査会社のレポートによれば、海外では紫外線防止ニーズの高まりにより日焼け止めを夏場だけではなく年間を通して使用し、特に新興国でもニーズが上昇していることから、今後も世界市場は年率+4%前後の拡大が予想されています。
「世界経済は今後も発展し、新興国も豊かになっていく」という大局観に立つのであれば、将来有望な企業だと思います。
・予想PER 9.50倍
・実績PBR 0.81倍
・配当利回り 2.41%
新型コロナウイルスの流行に伴って人々が外出を控える→日焼け止めの需要が減るという連想で株価が下落しているようです。
影響があることは間違いありませんし、当期のEPSも会社予想からは下振れする可能性が高いと思います。
とはいえ、ウイルスの流行は一過性の悪材料です。なんとなく売られ過ぎな気がして、目下、買い増しをしております。
本ブログ内で銘柄分析を行った企業の一覧を作成しました。
今回は日焼け止めの原材料で世界シェア首位を有するテイカ(4027)を見てみます。
目次
1.事業内容
2.財務状況
3.まとめ
1.テイカの事業内容
テイカは1919年にリン酸肥料の製造を目的に設立された企業で、昨年に設立100周年を迎えました。現在は祖業の肥料製造からは撤退しており、酸化チタン関連事業とその他事業が売上ベースで半々を占めます。
テイカ決算短信よりかもねぎ作成 |
それでは事業別に概況を見てみましょう。
(1)酸化チタン関連事業
全社売上の約半分、営業利益で6割を稼ぐのが酸化チタン関連事業です。酸化チタンは、塗料の原料など幅広い産業分野で使用される製品です。テイカは汎用用途の販売もしていますが、主力製品は日焼け止め用途に使われる「微粒子酸化チタン」と「微粒子酸化亜鉛」であり、それぞれ世界シェア1位を有しています。
ちなみに酸化チタン・酸化亜鉛が日焼け止めに使われる仕組みはこうです。
日焼けは紫外線を皮膚に浴びることで起きます。地表に届く紫外線には紫外線A波(UVA)と紫外線B波(UVB)という2種類があり、酸化亜鉛はUVAを、酸化チタンはUVBを遮蔽する効果があり、これを配合すると皮膚に紫外線が届きにくくなるのです。
「微粒子酸化チタン」に関するテイカの強みとしては、日焼け止め用途では他社に先駆けて販売し、国内外で多数の化粧品メーカーと取引があることから、技術情報等様々な情報を入手することができ、それらを迅速に研究・販売に反映できる点にあります。
その他、米国薬局方や欧州化粧品規格に対応した製品を生産しているため、すべての国に対応した製品を供給できる点や、化粧品メーカーの要望に合わせた表面処理も自社で一貫して手掛けている点も強みになります。
新興国の経済発展等もあり、日焼け止めの市場は堅調に伸びており、テイカの化粧品向けビジネスも成長してきました。
10年前(2009年春)の生産能力は年1,200トンほどでしたが、数度の増産投資を経て足元の生産能力は3,600トン、2020年末には5,200トンに増加する見通しです。
また近年は、化粧品分野の取扱い製品を広げており、「セリサイト」という化粧品原料を販売する合弁会社を立ち上げたり、米アシュランド社と提携して有機系の紫外線吸収剤の販売を開始しています。
過去10年の業績は以下の通りです。
(2)その他事業
その他事業は雑多なビジネスが含まれるセグメントです。主な製品は、硫酸・界面活性剤・導電材料といった化学製品、その他に倉庫業(物流サービス)等も含まれます。
医療機器に使用される「圧電セラミックス」という製品では、世界シェア首位を有しているようです。
過去10年の業績は以下の通り。
酸化チタン関連事業と比べれば利益率は低いですが、決してお荷物事業と言うわけではありません。
2.テイカの財務状況
(1)財務数値
続いてテイカの過去の業績推移を確認します。数値は各年度の有価証券報告書の「主要な経営指標等の推移」を拾いました。
リーマンショックの時期には一時的に業績が落ち込みましたが、売上・利益ともに右肩上がりで成長してきています。
ちょこちょこ自社株買い戻しを実施している点も個人的に評価が高いです。
(2)資産価値
自己資本比率は73.8%あり財務状況は堅実です。一株当たりの正味流動資産価値は765円ほど、他に一株当たり490円ほど投資有価証券を保有していますので、株価が1,250円くらいまで落ちれば資産価値未満で購入できる水準と言えそうです。
(3)今後の見通し
テイカの主力製品である化粧品向け酸化チタンは、日焼け止めの需要動向に売上が左右されます。調査会社のレポートによれば、海外では紫外線防止ニーズの高まりにより日焼け止めを夏場だけではなく年間を通して使用し、特に新興国でもニーズが上昇していることから、今後も世界市場は年率+4%前後の拡大が予想されています。
「世界経済は今後も発展し、新興国も豊かになっていく」という大局観に立つのであれば、将来有望な企業だと思います。
3.まとめ
最後に現時点の株価指標を確認してみます。・予想PER 9.50倍
・実績PBR 0.81倍
・配当利回り 2.41%
新型コロナウイルスの流行に伴って人々が外出を控える→日焼け止めの需要が減るという連想で株価が下落しているようです。
影響があることは間違いありませんし、当期のEPSも会社予想からは下振れする可能性が高いと思います。
とはいえ、ウイルスの流行は一過性の悪材料です。なんとなく売られ過ぎな気がして、目下、買い増しをしております。
本ブログ内で銘柄分析を行った企業の一覧を作成しました。
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