メディカルシステムネットワーク(4350)|23年3月期ざっくりレビュー

メディカルシステムネットワーク(4350)が2023年3月期決算を発表しましたので、ざっくりと確認しました。

1.決算概況


売上高は+2.7%の増収、営業利益は△17.9%の減益となりました。
以下は長期の業績推移です。

2.事業動向

メディカルシステムネットワークは、調剤薬局の経営をサポートする「医薬品ネットワーク事業」と調剤薬局チェーンを運営する「地域薬局支援事業」を経営の柱としつつ、医療・福祉に関する様々なビジネスを実施しています。

決算説明資料等から、当期の事業別の動向を確認します。
「地域薬局ネットワーク」には、「調剤薬局の運営」「医薬品ネットワークの運営」「後発医薬品の製造販売」といった性質の異なる事業が含まれるため、更にブレイクダウンします。

まず調剤薬局の運営です。
調剤報酬(売上高)は19億円(+2.2%の増)となったようです。調剤報酬の改定により処方箋単価が下がったものの、新規出店などもあり処方箋枚数が増加しました。利益面では、仕入原価の上昇、期末にインフレ手当(2億円)を支給したことなどで減益となったようです。

次に医薬品ネットワークの事業です。
近年は、厚労省のガイドラインの影響などで、薬価の交渉が複雑化しており、薬局側のアウトソースのニーズが増大しています。また、同社は医薬品発注の電子化を推進し、返品・急配等の削減に協力を求め、卸の流通コストの負担を軽減させていることから、医薬品卸側からも取り組みを高く評価されています。

当年度末においては、薬局の加盟数が8,912件(前年比+1,511件)と大幅に伸長しました。これに伴い流通額に連動する手数料等収入も増加したと推測されます。

続いて後発医薬品の製造販売です。
子会社のフェルゼンファーマで後発医薬品の販売を行っており、売上に占める比率はまだ小さいものの、堅調に伸長しています。ただ、後発医薬品の出荷調整などもあり、計画比では未達となったようです。

その他、サービス付き高齢者住宅の運営や給食事業などにも取り組んでいますが、これらの事業はいずれも減益となりました。(撤退すればよいのに)

最後に来期予想を見ると、営業利益ベースで△5億円ほどの減益を見込んでいます。

来期は調剤報酬の改定があり、同社のような大手調剤薬局は「地域支援加算」というものが取りずらくなるようです。これにより△8億円ほどのマイナス影響があるようです。

また、決算説明会では、「ジェネリック医薬品中心に、かなり値上げを受け入れざるを得ないんじゃないかということもある。これからの交渉であるが、その辺りを保守的に織り込んだ」といった発言もありました。

3.まとめ


このタイミングでスタンダード降格があるとは思いませんでした。。。

来期の減益自体は以前から経営陣よりアナウンスされていた内容ですが、減配、スタンダード降格との合わせ技で印象が悪いですね。

決算前、およびPTSで比較的高値で推移していましたので一部売却をしました。株価の推移を見つつ、適宜買い戻しを検討したいです。

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