こんにちは。相場の養分かもねぎ(@kamonegi_kabu)と申します。
株の世界にも流行り廃りがあり、相場の「花形」として個人・機関投資家の人気を集めた銘柄が、業績不振や不祥事によって見捨て去られ、株価が何年にも渡って低迷を続けることがあります。
さて、本記事はそんな「忘れ去られたかつての人気株」に改めて光を当ててみようという企画です。
今回取り上げるのは、国内レシピサイトのガリバーであるクックパッド(2193)となります。
同社は2009年7月に東証マザースに上場。以降、約5年間で売上高は6.9倍、当期利益は7.2倍に急成長し、成長株として大いに人気を集めました。
しかし、その後、社長で多角化を推進する穐田誉輝氏と創業者で「料理」に拘る佐野陽光氏が対立、いわゆる「お家騒動」が発生します。
・クックパッドの「自爆」経営の代償…急成長の立役者追放で株価大暴落(2016.11.30「Business Journal」)
・クックパッドお家騒動、創業者に軍配も株主不満(2017.3.24「日本経済新聞」)
すったもんだの挙句、創業者の佐野氏が経営権を握り、事業領域を「料理分野」に絞り込んでいくことに—
しかし、元より国内レシピサイトは頭打ちの状況でしたが、子会社売却による減収や減損損失の計上といった内部要因、レシピ動画サービスを展開する競合企業の登場といった外部要因が重なり、経営成績は振るわず、株価は大きく下落しました。
株価は2015年度の高値から▲90%の暴落。
見事、逆テンバガーを達成です。
ホルダーの人は泣いてもええんやで…
クックパッドは自己資本比率86.8%と非常に堅い財務を誇り、現金及び現金同等物から全ての金融負債を差し引いたネットキャッシュを225億円保有しています。
足元の時価総額は293億円(3/14時点)ですので、株価の75%は保有している現預金の価値でカバーされている計算です。
今の株価(273円)から更に1/4ほど下げ、株価が200円くらいまで落ち込むと、株価が保有する現金価値以下となってしまいます。よほどのことがあっても、このラインが大底でしょう。
視点を変えれば、株式市場は時価総額からネットキャッシュを差し引いた68億円を同社の事業価値と判断していることとなります。
サービス利用者数
国内利用者数は頭打ちです。お家騒動の時期にスマホ、レシピ動画への対応が遅れたのがボディーブローの様に効いてる感じです。
海外の利用者数は増加傾向ですが、まだ収益化は先でしょう。
会員事業
同社の収益の柱はプレミアム会員からの課金収入です。
こうして会員数を見ると、お家騒動を経てもクックパッドのプレミアム会員は同社から離反しておらず、むしろ現在も増加傾向にあることが見て取れます。不祥事があっても顧客が離れないのは、経済上の堀のある強いビジネスの特徴ですね。
ここ1~2年は、ドコモとのレベニューシェア売上の減によって減収でしたが、おおむね底を打ちました。
広告事業
もう片方の収益源である広告事業は…こちらは芳しくありません。
平均利用者数がジワジワ下がっているため、広告媒体としての力が落ちているのではないでしょうか。
業績推移(単体決算ベース)
クックパッドはIFRS適用の連結決算企業ですが、ここ数年は子会社の売却や減損損失の計上により本業の実力が見え難いため、単体決算の数値を記載しました。
広告事業の不調もあって減収減益が2年続いています。
ただ、水準だけを見れば売上120億円、経常利益で50億円を稼ぎ、経常利益率は42%と非常に高収益です。
お家騒動の経緯から、現社長の佐野氏は批判を受けがちなのですが…
前社長が本業の強化を怠りつつゴミ会社を次々と買収した結果、レシピサイトでは競合の進出を許し、本業と関連の薄い分野からの撤退戦により連結業績が悪化している
―なんて解釈もできそうです。
逆張り好きの割安株投資家としては、ネットキャッシュや正味流動資産価値に着目し、株価がこれを下回るようであれば積極的に買ってもいいかな思った次第です。
株の世界にも流行り廃りがあり、相場の「花形」として個人・機関投資家の人気を集めた銘柄が、業績不振や不祥事によって見捨て去られ、株価が何年にも渡って低迷を続けることがあります。
さて、本記事はそんな「忘れ去られたかつての人気株」に改めて光を当ててみようという企画です。
今回取り上げるのは、国内レシピサイトのガリバーであるクックパッド(2193)となります。
クックパッドのおさらい
同社の主力サービスといえば、日本国内で5,400万人、海外で4,000万人が利用するレシピサイト「cookpad」でしょう。同社は2009年7月に東証マザースに上場。以降、約5年間で売上高は6.9倍、当期利益は7.2倍に急成長し、成長株として大いに人気を集めました。
出典:GMOクリック証券 |
・クックパッドの「自爆」経営の代償…急成長の立役者追放で株価大暴落(2016.11.30「Business Journal」)
・クックパッドお家騒動、創業者に軍配も株主不満(2017.3.24「日本経済新聞」)
すったもんだの挙句、創業者の佐野氏が経営権を握り、事業領域を「料理分野」に絞り込んでいくことに—
しかし、元より国内レシピサイトは頭打ちの状況でしたが、子会社売却による減収や減損損失の計上といった内部要因、レシピ動画サービスを展開する競合企業の登場といった外部要因が重なり、経営成績は振るわず、株価は大きく下落しました。
株価は2015年度の高値から▲90%の暴落。
見事、逆テンバガーを達成です。
ホルダーの人は泣いてもええんやで…
クックパッドの資産価値を見てみましょう
同社のように下落を続ける銘柄を分析する際、まずは資産価値に着目するのが王道です。クックパッドは自己資本比率86.8%と非常に堅い財務を誇り、現金及び現金同等物から全ての金融負債を差し引いたネットキャッシュを225億円保有しています。
今の株価(273円)から更に1/4ほど下げ、株価が200円くらいまで落ち込むと、株価が保有する現金価値以下となってしまいます。よほどのことがあっても、このラインが大底でしょう。
視点を変えれば、株式市場は時価総額からネットキャッシュを差し引いた68億円を同社の事業価値と判断していることとなります。
クックパッドの事業価値を見てみましょう
では、この市場の評価は妥当なのでしょうか?各種KPIを確認します。サービス利用者数
出典:クックパッド2018年12月期決算説明会資料(以下同) |
海外の利用者数は増加傾向ですが、まだ収益化は先でしょう。
会員事業
同社の収益の柱はプレミアム会員からの課金収入です。
こうして会員数を見ると、お家騒動を経てもクックパッドのプレミアム会員は同社から離反しておらず、むしろ現在も増加傾向にあることが見て取れます。不祥事があっても顧客が離れないのは、経済上の堀のある強いビジネスの特徴ですね。
ここ1~2年は、ドコモとのレベニューシェア売上の減によって減収でしたが、おおむね底を打ちました。
広告事業
もう片方の収益源である広告事業は…こちらは芳しくありません。
平均利用者数がジワジワ下がっているため、広告媒体としての力が落ちているのではないでしょうか。
業績推移(単体決算ベース)
有価証券報告書、決算短信より作成 |
クックパッドはIFRS適用の連結決算企業ですが、ここ数年は子会社の売却や減損損失の計上により本業の実力が見え難いため、単体決算の数値を記載しました。
広告事業の不調もあって減収減益が2年続いています。
ただ、水準だけを見れば売上120億円、経常利益で50億円を稼ぎ、経常利益率は42%と非常に高収益です。
お家騒動の経緯から、現社長の佐野氏は批判を受けがちなのですが…
前社長が本業の強化を怠りつつゴミ会社を次々と買収した結果、レシピサイトでは競合の進出を許し、本業と関連の薄い分野からの撤退戦により連結業績が悪化している
―なんて解釈もできそうです。
まとめ
ざっと見る限り、今の株価水準であるならば悪くない投資対象と思いました。逆張り好きの割安株投資家としては、ネットキャッシュや正味流動資産価値に着目し、株価がこれを下回るようであれば積極的に買ってもいいかな思った次第です。
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