こんにちは。相場の養分かもねぎ(@kamonegi_kabu)と申します。
今回は、清酒や焼酎、本みりんのトップメーカーであり、子会社でバイオ事業等にも取り組む宝ホールディングス(2531)を見てみます。
目次
1.事業内容
2.財務状況
3.まとめ
では事業別に概況を見てみましょう。
売上構成は以下の通りで、焼酎>ソフトアルコール飲料>調味料>日本酒という順番になっていますね。
過去10年間の売上推移を見ると、焼酎分野が年々落ち込んでいますが、それを缶チューハイを主体としたソフトアルコール飲料が補うことで横ばいを維持しています。
清酒や調味料は横ばい~微増程度。原料アルコールは若干伸びてます。
酒類別の売上高推移(百万円)
日本酒の輸出や現地生産を行う他、近年は世界的な日本食人気を追い風として、M&Aを積み重ねながら「日本食材の卸売業」を拡大させています。
日本食材の卸売業とは、海外の日本食レストランや小売店等に向けて、米や海苔、醤油といった寿司関連商材をはじめ、清酒や麺類などの日本食材や調理機器等を販売するもの。
業界では、キッコーマン、西本wismettacに次ぐ3位の規模を有しているようです。
研究用試薬では国内首位、世界でもトップ10内に位置しています。
新型コロナのPCR検査に使う試薬を供給しているとの材料で、市場では人気化しているようですね。
(参考記事)
・タカラバイオ、唾液のPCR検査試薬発売へ(時事ドットコム)
現在育成しているのが、再生・細胞医療分野での研究支援サービス。
2012年に京大の山中教授がノーベル賞を受賞した「IPS細胞」の実用化に向けた、IPS細胞の作製支援サービス等に取り組んでいます。
また、大塚製薬と共同でがんに使用する「遺伝子治療薬」の研究開発・治験も実施しており、将来的には医薬品事業への参入を目指しています。
最後にセグメント別の連結売上高および営業利益の過去10年推移を見てみます。なお「その他」には物流や不動産賃貸事業が含まれます。
売上高(百万円)
数値は各年度の有価証券報告書の「主要な経営指標等の推移」を拾いました。
新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、海外日本食卸事業やタカラバイオの研究用試薬事業が落ち込むことが要因です。
一番痛いのが、海外のロックダウンの影響によって現地の日本食レストランが営業停止となり、そこへの販売が止まってしまうことですね。
長期的なビジョンとしては「グローバル和酒・日本食材No.1事業」を掲げ、2023年3月期で売上高3,000億円以上、営業利益174億円以上を目指していくようです。
≪本日(6/2)時点の時価総額≫
・宝HD 1,795億円
・タカラバイオ 3,624億円
宝HDはタカラバイオに60.9%出資していますので、その保有持分は約2,200億円。
同社の時価総額は子会社の保有持分を△400億円以上も下回っており、「日本最大の和酒メーカー」、「業界3位の日本食材卸業」というビジネスの価値が大幅にマイナス評価されている状態です。
まぁ単に、タカラバイオがバブルという見立てもできるのですが(小声)
・予想PER 34.84倍
・実績PBR 1.20倍
・配当利回り 2.22%(+優待有)
来期は減益予想ということもあり、指標的な割安さはありません。
ただ、過去の高値から大きく下落しており、上場子会社の保有持分以下の時価総額という状況でもあるので、ちょっと注目しているところです。
本ブログ内で銘柄分析を行った企業の一覧を作成しました。
今回は、清酒や焼酎、本みりんのトップメーカーであり、子会社でバイオ事業等にも取り組む宝ホールディングス(2531)を見てみます。
目次
1.事業内容
2.財務状況
3.まとめ
1.宝HDの事業内容
宝HDは、大正時代に設立された酒造会社であり、近年は海外での日本食材卸売や、上場子会社タカラバイオを通じたバイオ事業にも進出しています。決算短信よりかもねぎ作成 |
(1)宝酒造
国内でお酒を販売する事業です。売上構成は以下の通りで、焼酎>ソフトアルコール飲料>調味料>日本酒という順番になっていますね。
宝酒造ホームページより |
過去10年間の売上推移を見ると、焼酎分野が年々落ち込んでいますが、それを缶チューハイを主体としたソフトアルコール飲料が補うことで横ばいを維持しています。
清酒や調味料は横ばい~微増程度。原料アルコールは若干伸びてます。
酒類別の売上高推移(百万円)
決算短信よりかもねぎ作成 |
なお、2017年度頃に売り上げが落ち込んでいますが、これは、海外事業が次に説明する「宝酒造インターナショナル」として分割され、その分の売上が剥落したことが影響しています。
(2)宝酒造インターナショナル
海外で飲食料品を販売する事業です。日本酒の輸出や現地生産を行う他、近年は世界的な日本食人気を追い風として、M&Aを積み重ねながら「日本食材の卸売業」を拡大させています。
日本食材の卸売業とは、海外の日本食レストランや小売店等に向けて、米や海苔、醤油といった寿司関連商材をはじめ、清酒や麺類などの日本食材や調理機器等を販売するもの。
業界では、キッコーマン、西本wismettacに次ぐ3位の規模を有しているようです。
(3)タカラバイオ
上場子会社であるタカラバイオを通じて、研究用試薬の販売や再生医療の支援サービス等を行うセグメントです。研究用試薬では国内首位、世界でもトップ10内に位置しています。
新型コロナのPCR検査に使う試薬を供給しているとの材料で、市場では人気化しているようですね。
(参考記事)
・タカラバイオ、唾液のPCR検査試薬発売へ(時事ドットコム)
現在育成しているのが、再生・細胞医療分野での研究支援サービス。
2012年に京大の山中教授がノーベル賞を受賞した「IPS細胞」の実用化に向けた、IPS細胞の作製支援サービス等に取り組んでいます。
また、大塚製薬と共同でがんに使用する「遺伝子治療薬」の研究開発・治験も実施しており、将来的には医薬品事業への参入を目指しています。
最後にセグメント別の連結売上高および営業利益の過去10年推移を見てみます。なお「その他」には物流や不動産賃貸事業が含まれます。
売上高(百万円)
営業利益(百万円)
2.宝HDの財務状況
(1)財務数値
続いて宝ホールディングスの過去の業績推移を確認します。数値は各年度の有価証券報告書の「主要な経営指標等の推移」を拾いました。
(2)今後の見通し
来期は営業利益ベースで△36.9%の減益を見込んでいます。新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、海外日本食卸事業やタカラバイオの研究用試薬事業が落ち込むことが要因です。
一番痛いのが、海外のロックダウンの影響によって現地の日本食レストランが営業停止となり、そこへの販売が止まってしまうことですね。
決算説明資料より |
(3)時価総額の親子逆転
同社はタカラバイオ(4974)の親会社ですが、本体は減益が嫌気される一方、子会社のタカラバイオはいわゆる「バイオ企業」として高い評価が付き、時価総額がド派手に親子逆転しています。≪本日(6/2)時点の時価総額≫
・宝HD 1,795億円
・タカラバイオ 3,624億円
宝HDはタカラバイオに60.9%出資していますので、その保有持分は約2,200億円。
同社の時価総額は子会社の保有持分を△400億円以上も下回っており、「日本最大の和酒メーカー」、「業界3位の日本食材卸業」というビジネスの価値が大幅にマイナス評価されている状態です。
まぁ単に、タカラバイオがバブルという見立てもできるのですが(小声)
3.まとめ
最後に現時点の株価指標を確認してみます。・予想PER 34.84倍
・実績PBR 1.20倍
・配当利回り 2.22%(+優待有)
来期は減益予想ということもあり、指標的な割安さはありません。
ただ、過去の高値から大きく下落しており、上場子会社の保有持分以下の時価総額という状況でもあるので、ちょっと注目しているところです。
本ブログ内で銘柄分析を行った企業の一覧を作成しました。
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