ナンシン(7399)|20年3月期ざっくりレビュー

ナンシン(7399)が2020年3月期決算を発表しましたので、ざっくりと確認しました。

1.決算概況

売上高は▲4.1%の減収、営業利益は▲37.2%の減益となりました。

以下は長期の業績推移となります。

2.事業動向

ナンシンは、家具や台車の底面に付けられている移動用の車輪「キャスター」の国内トップ企業です。
用途は物流向けが全体の1/3程度を占め、他にも機械装置やOA機器、建築関係の仮説機器や医療用ベッド等、幅広い分野で使用されています。

同社は地域別に業績を公表していますので、当期の結果を確認します。

「日本」セグメントは、売上高8,376百万円(前年同期比▲5.0%減)、営業利益282百万円(同▲51.1%減)と不振でした。人件費などの固定費の上昇や、物流コストの上昇等により事業環境は厳しいようです。

一方で「マレーシア」は、売上高2,574百万円(前年同期比▲6.7%減)、営業利益35百万円(同+14.1%増)と減収ながら増益。
同じく「中国」も、売上高1,780百万円(前年同期比▲17.2%減)、営業利益143百万円(+64.9%増)と減収増益でした。


来期予想は未定としていますが、短信の注記にて「現時点においては、平常時と同水準の稼働率を維持しております」との記載もありますので、そこまで大崩れすることは無いだろうと思っています。

3.まとめ

ナンシンは資産バリュー株であるため、最後に資産価値を確認します。

足元の正味流動資産53億円に対し、時価総額は34億円(自社株除くベース)。株価が正味流動資産価値の2/3未満である「ネットネット株」の条件を満たしています。

大株主に光通信が入っており、前期にはまとまった自社株買いを実施する等、資本効率にも目を向けるようになっていますので、今の株価水準であれば魅力的な投資対象と考えています。

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