OATアグリオ(4979)|21年12月期ざっくりレビュー

OATアグリオ(4979)が2021年12月期決算を発表しましたので、ざっくりと確認しました。

1.決算概況


売上高は+11.7%の増収、営業利益は+31.0%の増益となりました。

以下は長期の業績推移です。

2.事業動向

OATアグリオは農薬や肥料等の農業資材を開発・販売している企業です。
元々は大塚製薬の農薬部門が母体でしたが、同社がコア事業に注力していく流れの中でMBO・上場をしてきた歴史があります。

当期のセグメント別業績ですが、農薬分野は売上高95億39百万円(前年同期比▲0.9%減)と微減収。もう一方の肥料・バイオスティミュラント分野は、売上高131億18百万円(前年同期比+23.0%の)増収。肥料分野の好調が業績を牽引したようです。
なお、バイオスティミュラントとは、植物が本来持つ免疫力を高め、病害虫耐性や成長促進を促す物質や技術の総称です。農薬や肥料よりも環境負荷が小さいと考えられ、SDGsの潮流の中で成長が期待される分野です。

OATアグリオは、3期前に切り花の鮮度保持剤で世界シェア首位を有する蘭・クリザール社を子会社化する勝負の大型買収を仕掛けました。買収後すぐは、PPAに伴う棚卸資産の増加(売上原価の押し上げ)などで業績が落ち込みましたが、本来の実力を発揮できる状況になってきたようです。

3.まとめ

同社は決算発表と合わせて中期経営計画も公表していました。


堅調な業績を勘案して従来よりも目標を引き上げ。2024年度に売上高254.9億円(現行比+12%増)、営業利益28.9億円(同+46%増)を目指す計画です。

成長ドライバーとして、人や環境にやさしい製品の販売やバイオスティミュラントなど4項目を掲げており、それぞれに具体的な打ち手が示されています。

計画だと売上に対して営業利益の伸びが大きいですが、「IFRSを適用するのでのれんの償却がなくなります」みたいな小手先の話でなければ良いなぁ~と思います。

0 件のコメント :

コメントを投稿