トランコム(9058)|21年3月期ざっくりレビュー

トランコムが2021年3月期決算を発表しましたので、ざっくりと確認しました。

1.決算概況


売上高は▲6.8%の減収、営業利益は+9.0%の増益となりました。

以下は長期の業績推移となります。

2.事業動向

今期の業績動向をセグメント別に眺めてみます。


トランコムは、物流センターの運営構築(ロジスティックマネジメント事業)と輸送マッチングサービス(物流情報サービス事業)を主力事業としています。

ロジスティックマネジメント事業については、売上高は前期比+0.5%増、営業利益は+26.3%の増益となりました。同社の顧客はユニ・チャームや生協といった生活必需品・消費財が多く、コロナ禍の巣ごもり需要の恩恵があったようです。

物流情報サービスについては、成約件数が前期比▲10.1%減と振るわず、売上高は▲12.4%の減、営業利益は▲3.0%の減益となりました。昨年度までは、物流業界全体が繁忙状態にあり、貨物情報よりも空車情報が少ない状態が慢性的に続いていましたが、コロナの影響で貨物情報が減り、空車情報が増え、求貨求車のバランスが改善したようにも見えます。

3.まとめ

決算と合わせて新たな中期経営計画を開示していました。

こちらが「ビジョン」と「主要戦略」

「Transportへ注力」というのは微妙に意味が分かりませんが、要は深刻化するドライバー不足や環境負荷低減という社会課題に対して、サプライチェーンの全体最適化を図る仕組みを構築していく、という考えなのだと思います。

本中計では、「他社との協業によるイノベーション強化」「他社とのデータ連携」等、自社の仲間づくりを進めていくようなワードが多いことも特徴的です。

こちらが主要な経営数値目標です。現状のROE・ROA水準を維持しつつ、売上高を2,200億円にまで伸長させていく方針のようです。

CO2削減量を掲げているのは、流行りのESGっぽさがあって良いですね。

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