みなさん、こんにちわ。
伊藤園の野菜ジュースでは「ビタミン野菜」シリーズが好きです。
さてさて、緑茶飲料最大手の伊藤園(2593)は、日本で唯一優先株を上場(25935)していることで知られています。
普通株も優先株もどちらも似たような金融商品ですが、ここ数年、両者の値動きが大きな乖離を続けており、「いくら何でもこれは異常値では」と、なんちゃって裁定取引を試みることにしました。
目次
1.伊藤園優先株の特徴
2.伊藤園優先株の株価指標
3.普通株と優先株の乖離について
4.伊藤園ロング・ショート戦略
5.で、それって儲かるの?
6.結果のご報告(19/03追記)
ポイントとしては
・株主総会での議決権はありませんが、
・配当金は普通株の25%増しであり、株主優待も普通株同様に貰える
…といったところでしょうか。
僕のような弱小個人株主には議決権あまり重要なものではなく、配当金が普通株よりたくさん頂けるということで、普通株より魅力的な商品に思われます。
まず株価を見ると、普通株5,010円に対して優先株は2,445円、普通株の価格は優先株の2.05倍となっています。
このため、予想PERは普通株が40倍を超えているのに対し、優先株は20倍と比較的リーズナブル、配当利回りも0.8%に対して2.0%と割安感があります。
※ちなみに、普通株と優先株とで予想EPSが異なるのは、双方で発行済み株式に対する自己株式数が異なっているためです。
結論から言うと、以前から優先株安、普通株高の傾向はありましたが、2015~2016年頃よりその乖離幅が極端に拡大しています。
以下のグラフは、2010年11月から2018年11月までの期間において、普通株の株価を優先株の株価で割り戻した比率(以下、「普通株/優先株倍率」という)をまとめたものです。
2010年から2014年頃は、概ね1.2倍から1.4倍のレンジで推移していましたが、2015年頃より普通株の株価のみが大幅に上昇し、結果として倍率が2.0倍近くまで拡大しました。
では、なぜこのように乖離が生まれているのでしょうか?
推測ではありますが、以下のような要因が影響していると思われます。
【理由1】日銀のETF買入
黒田日銀総裁による大規模金融緩和の一環として、日銀によるETFの買入額が2014年後半より大幅に増額されました。
伊藤園の優先株は、TOPIX等の株価指数に採用されていないらしく(本当でしょうか?)、そうであれば、金融緩和の恩恵を受けて上昇したのは普通株のみということになります。
【理由2】スクリーニングに引っかからない
伊藤園の優先株は日本で唯一の上場優先株式です。
そのためか、どうやら各種の情報サイトでも情報が適切に反映されていないことが多いようです。
例えば、僕がメイン口座を開いているSBI証券では配当利回りや予想PERといった投資指標がまったく掲載されていません。YAHOOファイナンスも同じような状況です。
結果、個人投資家が銘柄選定をするにも、そもそも検討対象に入らないといったことがありそうですね。
株価が乖離する理由らしきものはあるものの、その本質価値と比べれば乖離が大きいと言えそうです。
そこでこの度、割安な優先株買い(ロング)と割高な普通株売り(ショート)を組み合わせた「伊藤園ロング・ショート戦略」というプランを考案いたしました。(特許出願中(嘘))
① 優先株を2単元ずつ現物で買う
② 普通株を1単元ずつ空売りする
③ 両者の株価の乖離が縮小するのを待つ
いかがでしょうか?
今は普通株の半分の値段で優先株が買えますので、優先株を2単元購入する都度、普通株を1単元売ることで、買いポジションと売りポジションが中立になり、相場の変動と関係なく収益機会が得られることとなります。
「伊藤園ロングショート戦略」についても、両者の乖離が縮小するような「きっかけ」がないと、実際に利益を得ることは難しいかもしれません。むむむ…
・・・
・・・・・ん
・・・伊藤園が何かIRの開示を出しているぞ?
これは…優先株のみを対象とした自社株買いだ!!!!!!!!!!!!
というわけで、先週末より始まった自社株買いの期間に合せて、優先株買い・普通株売りのポジションを少しだけ作ってみました。(約100万円ずつ両建て)
伊藤園は、今年の2~3月にも優先株を対象とした自社株買いをやっているのですが、この期間の普通株/優先株倍率を見ると、やや乖離が縮まる方向に動いていたようです。
・取得期間 : 2018年2月1日~3月30日
・取得株数 : 369,600株
・取得価額 : 839,873,200円
普通株/優先株倍率が前回同様に1.75倍~1.80倍程度まで縮小するならば、3か月で10%程度の利益(諸経費込)が見込める計算です。
年利換算すると40%とまずまずのリターンとなりますし、相場全体にはニュートラルなポジションですので、リスクリターンの割合はそんなに悪くないと判断しました。
結果はまた報告しようと思います。
結果としては、うまくいきませんでした
自社株買い効果によって乖離幅が縮小するだろうと見込んでいましたが、普通株の方が力強い値動きを見せ、逆に乖離幅は拡大。
かもねぎについては、12月末の暴落時に他銘柄の買付資金確保のために損切りをしまして、ビタミン野菜2年分くらいの確定損を出しております。
目算が外れました。。。。。。
一応、伊藤園は自社株買いしてくれたんだけどなー。
みなさまも、生半可な知識で慣れないトレードをしないように気を付けてくださいね。
それでは
※本記事は、旧ブログで2018年に作成した記事を一部加筆のうえへ移転したものです。
伊藤園の野菜ジュースでは「ビタミン野菜」シリーズが好きです。
さてさて、緑茶飲料最大手の伊藤園(2593)は、日本で唯一優先株を上場(25935)していることで知られています。
普通株も優先株もどちらも似たような金融商品ですが、ここ数年、両者の値動きが大きな乖離を続けており、「いくら何でもこれは異常値では」と、なんちゃって裁定取引を試みることにしました。
目次
1.伊藤園優先株の特徴
2.伊藤園優先株の株価指標
3.普通株と優先株の乖離について
4.伊藤園ロング・ショート戦略
5.で、それって儲かるの?
6.結果のご報告(19/03追記)
1.伊藤園の優先株(25935)の特徴
まずは、伊藤園の優先株の商品性を確認したいと思います。●伊藤園第1種優先株式(25935)
出典:伊藤園ホームページ |
ポイントとしては
・株主総会での議決権はありませんが、
・配当金は普通株の25%増しであり、株主優待も普通株同様に貰える
…といったところでしょうか。
僕のような弱小個人株主には議決権あまり重要なものではなく、配当金が普通株よりたくさん頂けるということで、普通株より魅力的な商品に思われます。
2.伊藤園の優先株(25935)の株価指標
次に株価と各種株価指標を確認したいと思います。●株価指標(2018/12/11時点)
まず株価を見ると、普通株5,010円に対して優先株は2,445円、普通株の価格は優先株の2.05倍となっています。
このため、予想PERは普通株が40倍を超えているのに対し、優先株は20倍と比較的リーズナブル、配当利回りも0.8%に対して2.0%と割安感があります。
※ちなみに、普通株と優先株とで予想EPSが異なるのは、双方で発行済み株式に対する自己株式数が異なっているためです。
3.普通株と優先株の乖離について
伊藤園の普通株と優先株を比較すると、12/11の終値ベースで普通株の価格は優先株の2.05倍であることを確認しましたが、この乖離は過去からずっと継続しているのでしょうか?結論から言うと、以前から優先株安、普通株高の傾向はありましたが、2015~2016年頃よりその乖離幅が極端に拡大しています。
以下のグラフは、2010年11月から2018年11月までの期間において、普通株の株価を優先株の株価で割り戻した比率(以下、「普通株/優先株倍率」という)をまとめたものです。
●伊藤園 普通株/優先株倍率の推移(2010年11月~2018年11月)
2010年から2014年頃は、概ね1.2倍から1.4倍のレンジで推移していましたが、2015年頃より普通株の株価のみが大幅に上昇し、結果として倍率が2.0倍近くまで拡大しました。
では、なぜこのように乖離が生まれているのでしょうか?
推測ではありますが、以下のような要因が影響していると思われます。
【理由1】日銀のETF買入
黒田日銀総裁による大規模金融緩和の一環として、日銀によるETFの買入額が2014年後半より大幅に増額されました。
伊藤園の優先株は、TOPIX等の株価指数に採用されていないらしく(本当でしょうか?)、そうであれば、金融緩和の恩恵を受けて上昇したのは普通株のみということになります。
●普通株/優先株倍率と日銀ETF買入額の推移(2010年11月~2018年11月)
【理由2】スクリーニングに引っかからない
伊藤園の優先株は日本で唯一の上場優先株式です。
そのためか、どうやら各種の情報サイトでも情報が適切に反映されていないことが多いようです。
例えば、僕がメイン口座を開いているSBI証券では配当利回りや予想PERといった投資指標がまったく掲載されていません。YAHOOファイナンスも同じような状況です。
結果、個人投資家が銘柄選定をするにも、そもそも検討対象に入らないといったことがありそうですね。
4.伊藤園ロングショート戦略
さて、ここまで伊藤園の普通株(2593)と第1種優先株(25935)を見てきました。株価が乖離する理由らしきものはあるものの、その本質価値と比べれば乖離が大きいと言えそうです。
そこでこの度、割安な優先株買い(ロング)と割高な普通株売り(ショート)を組み合わせた「伊藤園ロング・ショート戦略」というプランを考案いたしました。(特許出願中(嘘))
●伊藤園ロング・ショート戦略
① 優先株を2単元ずつ現物で買う② 普通株を1単元ずつ空売りする
③ 両者の株価の乖離が縮小するのを待つ
いかがでしょうか?
今は普通株の半分の値段で優先株が買えますので、優先株を2単元購入する都度、普通株を1単元売ることで、買いポジションと売りポジションが中立になり、相場の変動と関係なく収益機会が得られることとなります。
5.で、それって儲かるの?
バリュー株を買ったものの割安なまま一向に上昇しない「バリュートラップ」という事象があるように、株価の歪みは中々解消されないものです。「伊藤園ロングショート戦略」についても、両者の乖離が縮小するような「きっかけ」がないと、実際に利益を得ることは難しいかもしれません。むむむ…
・・・
・・・・・ん
・・・伊藤園が何かIRの開示を出しているぞ?
これは…優先株のみを対象とした自社株買いだ!!!!!!!!!!!!
というわけで、先週末より始まった自社株買いの期間に合せて、優先株買い・普通株売りのポジションを少しだけ作ってみました。(約100万円ずつ両建て)
伊藤園は、今年の2~3月にも優先株を対象とした自社株買いをやっているのですが、この期間の普通株/優先株倍率を見ると、やや乖離が縮まる方向に動いていたようです。
・取得期間 : 2018年2月1日~3月30日
・取得株数 : 369,600株
・取得価額 : 839,873,200円
●前回自社株実施時の普通株/優先株倍率
普通株/優先株倍率が前回同様に1.75倍~1.80倍程度まで縮小するならば、3か月で10%程度の利益(諸経費込)が見込める計算です。
年利換算すると40%とまずまずのリターンとなりますし、相場全体にはニュートラルなポジションですので、リスクリターンの割合はそんなに悪くないと判断しました。
結果はまた報告しようと思います。
6.結果のご報告(19/03追記)
さて、上記の通り、勝算を持って開始した伊藤園ロング・ショート戦略ですが…結果としては、うまくいきませんでした
●12/11~2/22までの株価チャート
黒線が伊藤園の優先株、緑線が普通株です。自社株買い効果によって乖離幅が縮小するだろうと見込んでいましたが、普通株の方が力強い値動きを見せ、逆に乖離幅は拡大。
かもねぎについては、12月末の暴落時に他銘柄の買付資金確保のために損切りをしまして、ビタミン野菜2年分くらいの確定損を出しております。
目算が外れました。。。。。。
一応、伊藤園は自社株買いしてくれたんだけどなー。
みなさまも、生半可な知識で慣れないトレードをしないように気を付けてくださいね。
それでは
※本記事は、旧ブログで2018年に作成した記事を一部加筆のうえへ移転したものです。
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