総合PR会社の名門であるプラップジャパン(2449)の銘柄分析(後編)になります。
【こんな人向け】
・誰も話題にしないような不人気バリュー株が好き
・連続増配企業が好き
3.財務分析
(1)財務数値
まず、プラップジャパンの過去の業績推移を確認します。
数値は各年度の有価証券報告書における「主要な経営指標等の推移」を拾いました。
売上高・利益ともに増加傾向にあり、配当は14期連続で増配を続けています。
なお表には記載していませんが、大きな設備投資の必要な業種ではないため、キャッシュフローも潤沢です
次にROEを見ると、ある程度景気の変動を受けるものの、特別損失を計上した2011年8月期でも7.7%がボトムであり、安定的に10%を超える水準です。
(2)収益性
①定性分析
PR会社の運営は、「ノウハウ」や「メディア関係者とのネットワーク」といった無形資産が重要な要素になると思います。その点、プラップジャパンは業歴も長く、このような無形資産を十分に有していると思われます。
次にPR事業は、単純に値段の安い会社を選べば良いという商材ではなく、消費財のような激しい価格競争はないものと考えられます。
また、クライアントと安定的な取引関係を築きやすく、他社への乗り換えも簡単には発生しないと思われます。
②経済上の堀(Economic Moat)
過去の業績推移および上記の定性分析から、同社の事業は、バフェットが重視する経済上の堀(Economic
Moat)も有していると考えます。
例えば、コカ・コーラのブランドような深い(WideMoat)ものではないと思いますが、同社のノウハウやネットワークという無形資産に「狭い」堀はあると考えて良いはずです。
③評価
・ 収益力の高さ ○
・ 業績の安定性 ○
・ 経済上の堀 有(狭)
(3)成長性
①分析
PR市場全体は拡大傾向にあり、同社もその恩恵を受けられると考えられます。
また、同社は既に海外展開も軌道に乗っており、国内市場が縮んだとしても海外市場で成長を追うことができるポジションにいます。
しかし、同業のベクトル(6058)と比べれば増収率のペースはかなり遅く、成長性は高いとは言えません。(逆にベクトルは、ノウハウや人材力の必要な業態で、高成長に採用や業務のクオリティが追い付いているのでしょうか?)
②評価
・ 成長力 △
・ 今後の成長余地 ○
4.投資理由
安定的な収益力と増配っぷりに比べて、予想PERが10倍未満と割安だったので買いました。
確か、「過去10年間のROEがすべて一定水準を超えており」「配当利回りが高く」「PERが低い」といった条件でスクリーニングしていたと思います。
①~③辺りで購入しました |
5.まとめ
プラップジャパンは、PR業界において独特のポジションを有しており、指標的にも割安であるため投資対象としては悪くないと思っていますが、いかがでしょうか。
ちなみに、これは若干余談となりますが、同社はキャッシュリッチかつ自己資本も厚い企業であり、前期決算では自己資本比率71%、総資産の57%が現預金となっています。
一投資家としては、さらに自社株買いなんかを実施してくれたら「文句なし!」という感じですね。
(参考書籍・サイト)
・好かれる方法―戦略的PRの発想―(新潮新書)
・好かれる方法―戦略的PRの発想―(新潮新書)
本ブログ内で銘柄分析を行った企業の一覧を作成しました。
0 件のコメント :
コメントを投稿