ミズホメディー(4595)が2020年12月期決算を発表しましたので、ざっくりと確認しました。
1.決算概況
売上高は▲34.6%の減収、営業利益は▲62.5%の減益となりました。2.事業動向
ミズホメディーは、インフルエンザや肝炎などの感染症を検査するための体外診断用医薬品を開発・製造する企業です。特に「POCT(臨床現場即時検査)」という、医療現場でスピーディに診断をするタイプに強みを持ちます。
従来の主力製品はインフルエンザの臨床検査キットであり、国内市場規模は160億円ほどと言われる中、首位の大塚製薬(シェア30%)に次ぐ第2位(シェア23%)を有しています。
当期の業績について、決算短信から四半期別・製品別の売上動向を確認します。
まず、主力のインフルエンザ検査薬については、需要が消滅しました。
新型コロナウイルス感染拡大の影響により、日本人が外出自粛・手洗いうがい・マスク等の感染症対策を実施した結果、今シーズン(2020年9月-2021年4月)については、インフルエンザの発症数が過去5年平均の0.1%ほどの水準に激減しています。
出典:厚労省「インフルエンザの発生状況について(2/5)」 |
発売から4か月間での「スマートジーン新型コロナウイルス検出試薬」の売上は約12億円、生産数量は月産3万テスト相当でしたが、能力の増強を進めており近々で月産10万テスト(3倍強)に増強される見通しとなっています。
なお、ミズホメディーの新型コロナ検出試薬システムの特徴としては
①初期投資が安い
本体の機械代金は数十万円
②操作が簡便
検体に試薬を混ぜればあとは全自動で検査結果が出る
③迅速
1~2時間で即時に検査結果が出る
④1回1検体
一度に検査できるのは1検体
といった点があります。大規模なPCR検査センターでは、複数検体を一度に分析できるロシェや島津といった大手企業の機械が活躍するでしょうが、小規模なクリニックや救急外来等では、安価・簡便・迅速なミズホメディーの機械、といった棲み分けが出来るのではないかと思います。
3.まとめ
来期業績はインフルエンザや新型コロナの流行次第なので、何とも言えませんね~
前提数値として、インフルエンザ検査薬の売上は2020年度と同等、2019年度の60%を見込んでいます。新型コロナ検出試薬の売上は、約45万テスト分を見込んでいます。
どちらも上振れ・下振れの余地がある水準かな、とは思いました。
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