グレアム銘柄で過去10年間黒字の企業(2019年8月分)

こんにちは。相場の養分かもねぎ(@kamonegi_kabu)です。

ベンジャミン・グレアムが推奨した正味流動資産割安株は、通称「グレアム銘柄」と呼ばれます。


当ブログでは不定期に、株価が正味流動資産以下で、かつ過去10年間黒字を維持している企業を定点調査しています。

今回は、5月末以来、3ヵ月ぶりに同調査を行いました。

1.調査結果

・該当数 :82社(5月末比+24社)

(1)連結決算企業

(2)単独決算企業
(注)調査方法
・時価総額:2019年8月30日の終値ベース
・正味流動資産:前期本決算における流動資産-総負債
・正味流動資産>調査日時点の時価総額となる銘柄のうち、過去10年間の最終利益がすべて黒字の企業をリスト化
・スクリーニングには「会社四季報2019夏 CD-ROM」を使用
・基準日において取引の無い銘柄については、このリストには含まれていない。

2.ピックアップ銘柄

・ナンシン(7399)

会社四季報
【特色】キャスター(脚輪)メーカー大手。国内シェア約25%。マレーシア、中国に工場。中国開拓に注力
【連結事業】キャスター66、他34 <19・3>
【費用増】柱のキャスターは国内で車両運搬用、医療用など好採算品が伸びる。海外は前期、現地通貨高で痛手を被ったマレーシア市場が持ち直すものの、中国市場に不透明感漂う。物流費、鋼材価格上昇も響く。システム再構築費用重く、営業益後退。
【差別化製品】改良品や好採算の次世代キャスターの開発を急ぐ。前期為替変動の打撃を受け、海外との取引に為替ヘッジ導入。 
キャスター(脚輪)メーカー大手で国内シェア25%の企業。
大株主を見て頂きますと、3位株主に光通信、5位株主にBBHフィデリティとバリュー系の著名な機関投資家が名を連ねています。


長期業績は以下のような感じ。
リーマンショック以前の不安定な経営体質を脱した…という判断であれば買いでしょうか。

余談ですが、今年の6月に清算価値未満の株価で大規模な自社株買いを実施しています。
株価は無反応だったものの、株主価値の向上やEPSの上昇に繋がる内容で、資本政策としてはとても良い施策だったと感じます。

・ヒラノテクシード(6245)

会社四季報
【特色】塗工・化工・各種熱処理機械が主力。電気・電子、高分子化学の高精度薄膜塗工で業界をリード
【連結事業】塗工機関連機器45(14)、化工機関連機器50(19)、他5(38)【海外】51 <19・3>
【反 落】期初受注残は376億円(前期比2・2%減)抱えるも、スマホや中国関連中心に塗工機、化工機関連機器とも新規受注が減少。下期に向け工場稼働率が低下。減価償却費も増え、営業益反落。減配。
【新工場】京都・木津川の新工場が今9月に竣工。3ライン新設稼働。内製化向上、RPA(業務自動化)対応。真空中と大気中を相互走行させる装置で高品質薄膜探求。

以前は液晶製造装置が中心でしたが、今はリチウムイオン電池の製造ライン向け装置が主力です。世界シェアは首位級と言われてますね。

長期業績は以下の通り。
このシクリカルさですと、僕はネットネット(正味流動資産価値の2/3)でないと買えません。実際、2013年頃の大底ではそれくらいの水準でした。

3.まとめ

5月末の調査結果と比べると、該当社数は+24社増の82社となりました。

この間、日経平均株価は20,601円→20,704円と微増ですので、割安株・小型株が相対的に不人気という状況を反映しています。

なお、スクリーニングに使用したソフトウェアの仕様上、流動性が薄く調査日に取引がゼロだった銘柄は結果に出てきません。完全に網羅された調査ではない点、ご留意いただければ幸いです。

前月の調査はこちら

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