こんにちは。相場の養分かもねぎ(@kamonegi_kabu)と申します。
今回は「セロテープ」ブランドで有名なニチバン(4218)を分析します。
1.事業内容
2.財務状況
3.まとめ
しかし、同社はセロテープ以外にも様々な製品を取り扱っており、特に現在はヘルスケア製品が収益源となっています。
家庭用・工業用ともにしっかりとした事業基盤を持っていますが、売上・利益ともに頭打ちの状態が続いています。
前述のテープ事業と比べても収益性が高く、近年は一般用医薬品分野が大きく伸長することで、全社業績を牽引しています。
日本国内における救急絆創膏市場は、富士経済によれば176億円の市場規模があり、ここ10年ほどで約25%ほど成長しました。
近年は、創傷被覆材「ハイドロコロイド」という成分を配合することで、傷を早く治す「湿潤タイプ」が伸びています。
以前はジョンソン・エンド・ジョンソンの「バンドエイド」が圧倒的に強く、ニチバンは大きく離された二位メーカーだったのですが、ここ数年はシェアを急速に拡大しました。(2010年:20.1%→2018年:32.8%)
ニチバンの「ケアリーブ」は、品質面ではテープの剥がれにくさに定評があり、ジョンソン・エンド・ジョンソンに追随して「湿潤タイプ」を開発するとともに、店頭でのマーケティングに注力したことで販売を伸ばしたようです。
この製品は「サロンパス」のようないわゆる貼り薬です。
日本人の間ではまったく無名なのですが、インバウンド客、特に韓国でカルト的な人気を誇っており、訪日客の増加と合わせて売上高を大きく伸ばしました。
鎮痛消炎剤は日本国内で500億円ほどの市場規模(富士経済調べ)があり、ニチバンは5~6%ほどのシェアを有しています。
ただし、インバウンド需要に依存した製品であるため、2018年頃より韓国人の訪日客が頭打ちとなるとともに成長がストップ、足元では日韓関係の悪化もあってマイナス成長に陥っているようです。
数値は各年度の有価証券報告書における「主要な経営指標等の推移」を拾いました。
売上高はほぼ横ばいですが、低利益率のテープ事業から高利益率のメディカル事業への転換が徐々に進み、収益性は大幅に改善してきました。
ただし、資産価値から見た割安さは特にないです。
・予想PER 11.85倍
・実績PBR 0.93倍
・配当利回り 2.33%(+株主優待あり)
単なる製造業と見ればおおむね適正な株価水準ですが、ブランド力と成長性を兼ね備えたヘルスケア製品メーカーと見れば割安圏…といった感じでしょうか。
チャート的には、メディカル事業の成長が頭打ちになったこと、日韓関係悪化によるインバウンド需要の失速といった悪材料で株価は高値から半分以下に落ちました。
参入するタイミングをひっそりと見計らっています。
本ブログ内で銘柄分析を行った企業の一覧を作成しました。
今回は「セロテープ」ブランドで有名なニチバン(4218)を分析します。
1.事業内容
2.財務状況
3.まとめ
1.ニチバンの事業内容
ニチバンの主力製品の一つである「セロテープ」は、日本人なら誰しも一度は使った経験があるのではないでしょうか。2018年には発売70周年を迎えた、とても歴史ある消費財です。しかし、同社はセロテープ以外にも様々な製品を取り扱っており、特に現在はヘルスケア製品が収益源となっています。
(1)テープ事業
テープ事業は、セロテープを中心とした家庭用テープと工業用テープを扱っています。家庭用・工業用ともにしっかりとした事業基盤を持っていますが、売上・利益ともに頭打ちの状態が続いています。
(2)メディカル事業
メディカル事業は、ドラッグストア等で販売される一般用医薬品が中心であり、一部、病院で使用される医療材も扱っています。前述のテープ事業と比べても収益性が高く、近年は一般用医薬品分野が大きく伸長することで、全社業績を牽引しています。
●主要ブランド①「ケアリーブ」
一つ目の主力製品は救急用絆創膏(ばんそうこう)のケアリーブです。日本国内における救急絆創膏市場は、富士経済によれば176億円の市場規模があり、ここ10年ほどで約25%ほど成長しました。
近年は、創傷被覆材「ハイドロコロイド」という成分を配合することで、傷を早く治す「湿潤タイプ」が伸びています。
以前はジョンソン・エンド・ジョンソンの「バンドエイド」が圧倒的に強く、ニチバンは大きく離された二位メーカーだったのですが、ここ数年はシェアを急速に拡大しました。(2010年:20.1%→2018年:32.8%)
ニチバンの「ケアリーブ」は、品質面ではテープの剥がれにくさに定評があり、ジョンソン・エンド・ジョンソンに追随して「湿潤タイプ」を開発するとともに、店頭でのマーケティングに注力したことで販売を伸ばしたようです。
●主要ブランド②「ロイヒつぼ膏」
二つ目の主力製品は鎮痛消炎剤の「ロイヒつぼ膏」です。この製品は「サロンパス」のようないわゆる貼り薬です。
日本人の間ではまったく無名なのですが、インバウンド客、特に韓国でカルト的な人気を誇っており、訪日客の増加と合わせて売上高を大きく伸ばしました。
鎮痛消炎剤は日本国内で500億円ほどの市場規模(富士経済調べ)があり、ニチバンは5~6%ほどのシェアを有しています。
ただし、インバウンド需要に依存した製品であるため、2018年頃より韓国人の訪日客が頭打ちとなるとともに成長がストップ、足元では日韓関係の悪化もあってマイナス成長に陥っているようです。
2.ニチバンの財務状況
(1)業績推移
続いてニチバンの過去の業績推移を確認します。数値は各年度の有価証券報告書における「主要な経営指標等の推移」を拾いました。
売上高はほぼ横ばいですが、低利益率のテープ事業から高利益率のメディカル事業への転換が徐々に進み、収益性は大幅に改善してきました。
(2)資産面
足元の自己資本比率は59%、有利子負債はわずかと財務状況に不安はありません。ただし、資産価値から見た割安さは特にないです。
3.まとめ
最後に現時点(2019年9月)の株価指標を確認します。・予想PER 11.85倍
・実績PBR 0.93倍
・配当利回り 2.33%(+株主優待あり)
単なる製造業と見ればおおむね適正な株価水準ですが、ブランド力と成長性を兼ね備えたヘルスケア製品メーカーと見れば割安圏…といった感じでしょうか。
チャート的には、メディカル事業の成長が頭打ちになったこと、日韓関係悪化によるインバウンド需要の失速といった悪材料で株価は高値から半分以下に落ちました。
参入するタイミングをひっそりと見計らっています。
本ブログ内で銘柄分析を行った企業の一覧を作成しました。
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