こんにちは。相場の養分かもねぎ(@kamonegi_kabu)と申します。
今回は、クラフト紙袋で国内首位の昭和パックス(3954)を見てみます。
目次
1.事業内容
2.財務状況
3.まとめ
セメント、米麦、製粉、合成樹脂といった製品向けに、十数キロ以上の包装袋として利用されることが多いです。
市場規模を見ると、国内は頭打ちとなっており、毎年△1~2%ほどの減少が続いています。
売上・利益の大半を占めるのが、重包装袋(クラフト紙袋)事業です。
先述したクラフト紙袋を製販する事業であり、王子製紙、中越パルプ工業、特殊東海製紙といった製紙メーカーから原料となるクラフト紙を仕入れ、紙袋を製造するシンプルな商売です。
王子製紙系の王子製袋、レンゴー系の日本マタイといった競合メーカーがある中、昭和パックスはトップシェアを有しているようです。
具体的な占有率は不明ですが、色々なデータを見ると、単体ベースで概ね2割前後のシェアを持っていると推察します。
クラフト紙袋市場は頭打ちとなっていますが、昭和パックスの出荷数量は市場全体を上回って推移しており、シェアも拡大させている様子です。
その他、昭和パックスは1997年より海外進出(タイ)も進めているのですが、設立から20年が経過し、近年はこの「タイ昭和パックス」が全社の業績拡大を牽引するまでに育ってきました。
直近年度(19年3月期)の業績はまだ確認できませんが、前期(18年3月期)を見ると、売上高は27億円と全社の13%、経常利益は4億円と全社の27%を占めています。
国内需要が伸びない中、海外展開が軌道に乗っている点は非常に良いことだと思います。
数値は、各年度の有価証券報告書における「主要な経営指標等の推移」を拾いました。
過去15年赤字に陥った年度はなく、EPSやROEも徐々に向上させており、19年3月期には過去最高益を更新しました。
国内の需要動向をふまえると、今後業績が大幅に拡大することは見込めないかと思いますが、海外子会社の成長等も加味すると、業績は割と固いでしょう。
ただし、化学製品向けのクラフト紙袋は、景気変動の影響を受けますので、相応の利益の波はある点は注意が必要だと思います。
まず、19年3月期決算における正味流動資産価値を見ると、67億円(流動資産167億円-総負債100億円)となっています。
現在の時価総額は67億円であるため、株価は正味流動資産価値とほぼ同等です。
さらに、昭和パックスは固定資産の部で信越化学工業やサンエー化研、日産化学工業といった株式を約45億円保有しています。
また、同社は賃貸用のオフィスビルを保有していますが、簿価8億円に対して時価は20億円と12億円の含み益を有しています。
上記をすべて勘案すると、現状の株価は清算価値を下回っており、ガチガチの資産バリュー株と言えると思います。
・予想PER 5.99倍
・実績PBR 0.43倍
・予想配当利回り 2.51%
株主優待もあり、500株以上の保有で新潟産コシヒカリ5kgを頂くことが出来ます。「自社のクラフト紙袋を使用した製品」という位置づけのようです。
文句なく割安といってよい銘柄ではないでしょうか。
社長や取締役はもっと自社株を保有していて然るべきだと思いますし、資本効率という考え方に目覚めて、手元資金や政策保有株式を圧縮しつつ自社株買いを実施するのであれば、もう一段・二段評価されるべき銘柄のハズです。
いやー、物言う株主が来てくれないものですかねー
なお、投資をする際は自己責任でお願いいたします。
本ブログ内で銘柄分析を行った企業の一覧を作成しました。
今回は、クラフト紙袋で国内首位の昭和パックス(3954)を見てみます。
目次
1.事業内容
2.財務状況
3.まとめ
1.昭和パックスの事業内容
(1)クラフト紙袋とは
クラフト紙を主材料として製造された紙袋のことであり、輸送・貯蔵などを目的として使われる大型紙袋です。プラスチック製の袋と比べて厚手で頑丈であるため、重量物の包装や、運搬・保管時に使用される外装体等に採用されます。セメント、米麦、製粉、合成樹脂といった製品向けに、十数キロ以上の包装袋として利用されることが多いです。
市場規模を見ると、国内は頭打ちとなっており、毎年△1~2%ほどの減少が続いています。
出典:全国クラフト紙袋工業組合 |
(2)昭和パックスの事業構成
続いて昭和パックスの事業構成を確認します。以下は19年3月期決算ベースの数値となります。昭和パックス 2019年3月期決算短信より作成 |
売上・利益の大半を占めるのが、重包装袋(クラフト紙袋)事業です。
先述したクラフト紙袋を製販する事業であり、王子製紙、中越パルプ工業、特殊東海製紙といった製紙メーカーから原料となるクラフト紙を仕入れ、紙袋を製造するシンプルな商売です。
王子製紙系の王子製袋、レンゴー系の日本マタイといった競合メーカーがある中、昭和パックスはトップシェアを有しているようです。
具体的な占有率は不明ですが、色々なデータを見ると、単体ベースで概ね2割前後のシェアを持っていると推察します。
クラフト紙袋市場は頭打ちとなっていますが、昭和パックスの出荷数量は市場全体を上回って推移しており、シェアも拡大させている様子です。
昭和パックス 各年度決算短信より作成 |
その他、昭和パックスは1997年より海外進出(タイ)も進めているのですが、設立から20年が経過し、近年はこの「タイ昭和パックス」が全社の業績拡大を牽引するまでに育ってきました。
昭和パックス 各年度有価証券報告書より作成 |
直近年度(19年3月期)の業績はまだ確認できませんが、前期(18年3月期)を見ると、売上高は27億円と全社の13%、経常利益は4億円と全社の27%を占めています。
国内需要が伸びない中、海外展開が軌道に乗っている点は非常に良いことだと思います。
2.昭和パックスの財務状況
(1)財務数値
まず、昭和パックスの過去の業績推移を確認します。数値は、各年度の有価証券報告書における「主要な経営指標等の推移」を拾いました。
過去15年赤字に陥った年度はなく、EPSやROEも徐々に向上させており、19年3月期には過去最高益を更新しました。
国内の需要動向をふまえると、今後業績が大幅に拡大することは見込めないかと思いますが、海外子会社の成長等も加味すると、業績は割と固いでしょう。
ただし、化学製品向けのクラフト紙袋は、景気変動の影響を受けますので、相応の利益の波はある点は注意が必要だと思います。
(2)資産価値
収益面と合わせて資産価値も確認しましょう。まず、19年3月期決算における正味流動資産価値を見ると、67億円(流動資産167億円-総負債100億円)となっています。
現在の時価総額は67億円であるため、株価は正味流動資産価値とほぼ同等です。
さらに、昭和パックスは固定資産の部で信越化学工業やサンエー化研、日産化学工業といった株式を約45億円保有しています。
また、同社は賃貸用のオフィスビルを保有していますが、簿価8億円に対して時価は20億円と12億円の含み益を有しています。
上記をすべて勘案すると、現状の株価は清算価値を下回っており、ガチガチの資産バリュー株と言えると思います。
3.まとめ
最後に現時点(2019年6月)の昭和パックスの株価指標を確認します。・予想PER 5.99倍
・実績PBR 0.43倍
・予想配当利回り 2.51%
株主優待もあり、500株以上の保有で新潟産コシヒカリ5kgを頂くことが出来ます。「自社のクラフト紙袋を使用した製品」という位置づけのようです。
文句なく割安といってよい銘柄ではないでしょうか。
社長や取締役はもっと自社株を保有していて然るべきだと思いますし、資本効率という考え方に目覚めて、手元資金や政策保有株式を圧縮しつつ自社株買いを実施するのであれば、もう一段・二段評価されるべき銘柄のハズです。
いやー、物言う株主が来てくれないものですかねー
なお、投資をする際は自己責任でお願いいたします。
本ブログ内で銘柄分析を行った企業の一覧を作成しました。
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