ハリマ共和物産(7444)という大証2部上場のマニアック(?)な企業があります。
同社は関西地盤の中堅商社ですが、現状の株価(1,035円)をベースにすると、予想PERは5.69倍、PBRは0.48倍と指標的にかなり割安な水準にあります。
以下は同社の過去10年の業績推移ですが、業績は景気の変動の影響をあまり受けず、EPS(右軸)も年率7.4%で上昇(04年3月期:99.4円→13年3月期:188.96円)させています。
ハリマ共和物産(7444)の業績推移(03年度~12年度)
流動性が低いゆえ、筋金入りの万年割安株(←褒め言葉)となっているのですが、指標的にも業績的にも良い会社ですので、今回はその概要をざっとまとめてみました。
ハリマ共和物産の(7444)事業構成
利益の柱となる物流関連事業は、過去10年で売上・利益とも大きく伸ばしており、ハリマ共和物産の成長のドライバーになっています。
・売上高:36億円(04年度) ⇒ 55億円(12年度)
・セグメント利益:3億円(04年度) ⇒ 11億円(12年度)
「物流」と一言にいっても、トラック・船輸送、港湾での荷役、倉庫での保管・・・など色々な形態がありますが、同社の西松屋向けの取引は、同社向け共同出荷センターの受託運営が中心となっています。
この「共同出荷センター」というのは、各メーカや卸売業がばらばらに西松屋の店舗に出荷するのではなく、一度ハリマ共和物産の倉庫に商品の納入させ、ハリマ共和物産が各店舗向けの仕分・梱包等をした上で、出荷をするといったものです。
これは、単にトラック等で輸送するだけではなく、顧客の物流業務に深く食い込むものであるため、乗り換えコストが大きく、利益率も相対的に高い事業となっています。
近年物流業界では、日立物流やハマキョウレックス、トランコムなど3PLを行う会社が好調ですが、ハリマ共和物産が行っているのもこれらの会社と同じようなことです。
具体的に物流事業の内のどれくらいが西松屋向けの売上であるかは不明ですが、以下の通り「ハリマ共和物産の物流事業の売上高」と「西松屋の当期商品仕入高」の前年比増減率を見ると、両者には一定の相関が見られます。
西松屋の仕入高とハリマ共和物産の物流事業売上(前年比増減率)
ここから、売上の半分くらいは西松屋向けと考えて良いのではと思います。
一方の、(2)物流関連事業についても、主要顧客の西松屋の成長が一服していますので、同社向けの取引で鍛えられた競争力を元に、どれだけ新しい顧客を開拓できるかがポイントになると思われます。
あと、5年前と比べると有利子負債が大きく圧縮され財務の安定性が高まってますので、配当性向を25%くらいに引き上げて頂きたいなあ・・・などと勝手に思っています。
※本記事は、旧ブログで2013年に作成した記事をBloggerへ移転したものです。
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なお、本ブログ内で銘柄分析を行った企業の一覧を作成しています。
興味がある方はこちらの一覧をご覧ください。
同社は関西地盤の中堅商社ですが、現状の株価(1,035円)をベースにすると、予想PERは5.69倍、PBRは0.48倍と指標的にかなり割安な水準にあります。
以下は同社の過去10年の業績推移ですが、業績は景気の変動の影響をあまり受けず、EPS(右軸)も年率7.4%で上昇(04年3月期:99.4円→13年3月期:188.96円)させています。
ハリマ共和物産(7444)の業績推移(03年度~12年度)
流動性が低いゆえ、筋金入りの万年割安株(←褒め言葉)となっているのですが、指標的にも業績的にも良い会社ですので、今回はその概要をざっとまとめてみました。
1.会社概要
同社の事業は、大きく(1)日用品・化粧品等の卸売と(2)物流関連事業の二つに分かれており、利益の大半は(2)の物流関連事業が稼ぎ出しています。ハリマ共和物産の(7444)事業構成
利益の柱となる物流関連事業は、過去10年で売上・利益とも大きく伸ばしており、ハリマ共和物産の成長のドライバーになっています。
・売上高:36億円(04年度) ⇒ 55億円(12年度)
・セグメント利益:3億円(04年度) ⇒ 11億円(12年度)
2.物流関連事業について
ハリマ共和物産は、名前にハリマ(=播磨)と付くことから分かるように、兵庫県に本社を置く企業です。で、同社の物流関連事業については、同じ兵庫県から全国に羽ばたいたベビー用品店「西松屋(7545)」向けの取引が大きな割合を占めています。「物流」と一言にいっても、トラック・船輸送、港湾での荷役、倉庫での保管・・・など色々な形態がありますが、同社の西松屋向けの取引は、同社向け共同出荷センターの受託運営が中心となっています。
この「共同出荷センター」というのは、各メーカや卸売業がばらばらに西松屋の店舗に出荷するのではなく、一度ハリマ共和物産の倉庫に商品の納入させ、ハリマ共和物産が各店舗向けの仕分・梱包等をした上で、出荷をするといったものです。
これは、単にトラック等で輸送するだけではなく、顧客の物流業務に深く食い込むものであるため、乗り換えコストが大きく、利益率も相対的に高い事業となっています。
近年物流業界では、日立物流やハマキョウレックス、トランコムなど3PLを行う会社が好調ですが、ハリマ共和物産が行っているのもこれらの会社と同じようなことです。
具体的に物流事業の内のどれくらいが西松屋向けの売上であるかは不明ですが、以下の通り「ハリマ共和物産の物流事業の売上高」と「西松屋の当期商品仕入高」の前年比増減率を見ると、両者には一定の相関が見られます。
西松屋の仕入高とハリマ共和物産の物流事業売上(前年比増減率)
ここから、売上の半分くらいは西松屋向けと考えて良いのではと思います。
3.今後の見通し
同社の事業のうち卸売事業については、売上の成長はあまり見込めず、激しい競争によって、将来の利幅も小さくなっていくでしょう。一方の、(2)物流関連事業についても、主要顧客の西松屋の成長が一服していますので、同社向けの取引で鍛えられた競争力を元に、どれだけ新しい顧客を開拓できるかがポイントになると思われます。
あと、5年前と比べると有利子負債が大きく圧縮され財務の安定性が高まってますので、配当性向を25%くらいに引き上げて頂きたいなあ・・・などと勝手に思っています。
※本記事は、旧ブログで2013年に作成した記事をBloggerへ移転したものです。
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なお、本ブログ内で銘柄分析を行った企業の一覧を作成しています。
興味がある方はこちらの一覧をご覧ください。
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