萩原工業(7856)が2022年10月期決算を発表しましたので、ざっくりと確認しました。
1.決算概況
売上高は前期比+8.1%の増収、営業利益は▲38.9%の減益となりました。
以下は長期の業績推移です。
2.事業動向
萩原工業は、ブルーシートや土のう、コンクリート補強材等を扱っている「合成樹脂事業」と、シート状の材料を切断する機械を販売する「エンジニアリング事業」の2事業を展開しています。
合成樹脂事業は、売上高255億70百万円(前期比+13.4%)、営業利益は11億76百万円(前期比▲25.4%)と増収・減益となりました。
売上面では、海外向けのコンクリート補強繊維「バルチップ」や包装資材用途の「メルタック」が好調だったものの、利益面では原材料価格や海上運賃の高騰による影響が大きく、価格転嫁を進めたものの、大幅減益となりました。
エンジニアリング事業も、売上高43億円(前期比▲15.2%)、営業利益2億円(▲70.4%)と大幅減益でした。部材調達難や資材高騰等が影響したようです。
その他、大きなニュースとしては、中国・青島の子会社を解散し中国での生産から撤退(2022年9月)を決める一方、南米・パラグアイでの工場新設(2023年2月稼働予定)を決定しました。
「パラグアイ・・・・・???」となりますが、セグメント別の売上を見ると意外と南米向けが大きかったりします。土間補強用途で「バルチップ」が伸びているようです。
3.まとめ
来期の業績予想も見てみましょう。
当期純利益が膨らむのは、撤退する青島工場の土地収用金の受領を見込んでいるためです。
営業利益は+23.4%の増益予想ですが、海上運賃や原料価格が落ち着きつつあるので、もう少し上振れするかな、と思っていました。説明資料を読むと、来期は電力コストの高騰が効いてくるようです。
こちらは決算と同時に公表した中計の数値目標(骨子)
合成樹脂事業ではバルチップの伸長を、機械製品事業では部品調達難の解消による正常化を見込んでいるようです。まずは当面の課題として、南米拠点の立上げという一大プロジェクトをうまく成功させて欲しいですね。
株主還元にも力を入れていただけるようで有難いです。増配おいちいです。
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