『インデックスファンドの時代』を読了

『インデックスファンドの時代』J・C・ボーグル著、井出正介監訳を読みました。



著者はバンガードグループの創始者であり、インデックスファンドの優位性を信じてその普及に努めたこと人としても知られています。

■内容について
同書の基本的なメッセージは、「低コストの運用を行いましょうね」です。

投資信託にかかる経費には、「信託報酬(運用経費)」「取引コスト」「税金」などがあり、平均的なアクティブファンドの場合、1.5%程度の運用経費、0.5%程度の取引に伴う売買コストが必要となります。

更に、値上がり益を実現した場合、ここに税金の影響も追加されます。税負担は短期間で銘柄を次々と入れ替えるような売買回転率の高いファンドの方が重くなります。
インデックスファンドの場合、最もコストの低いものならば運用経費は0.2%程度で済み、売買回転率も低いため売買コストや税金も抑制されます。

この結果、インデックスファンドはコスト面で1.5%/年程度のアドバンテージを持つこととなり、ちょうどその分だけ運用成績に差が付くのだそうです。

著者の調査によると、インデックスファンドと一般的なアクティブファンドの間では、「経費差し引き前のリターン」について有意な差は見られず、「経費差し引き前」ならば50%前後のアクティブファンドがインデックスファンドを上回っているのだそうです。しかし、運用コスト面で差があるため、経費差し引き後のリターンでは大半がインデックスファンドに敗れてしまうのです。

1.5%程度のコストとはいえ、数十年間運用をするならば、その悪影響は複利で増加していくこととなり、投資家のリターンに打撃を与えることは間違いありません。

また、投資信託ではなく個別株に投資する場合でも、各種のコストの影響は複利で積み重なっていくはずです。売買回転率を抑え、税負担を抑え、バイ・アンド・ホールド戦略をとるという基本を忘れないようにしたいと思います。

 ※本記事は、旧ブログで2011年に作成した記事をBloggerへ移転したものです。


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