四国化成ホールディングス(4099)が2022年12月期決算を発表しましたので、ざっくりと確認しました。
当期は決算期変更に伴う9か月決算のため単純比較はできませんが、前年同期と比較すると売上高は+18.7%の増収、営業利益は+4.9%の増益となっています。
1.決算概況
以下は長期の業績推移です。
2.事業動向
四国化成ホールディングスは、香川県丸亀市に本社を構える化学品・建材メーカーです。タイヤの原料やプリント配線板の防錆剤等、世界シェア1位・2位の製品を多数有するグローバルニッチトップメーカーです。
当期のセグメント別の業績を確認します。
まず化学品事業は、売上高323億80百万円(前年同期比+27.0%)、セグメント利益64億91百万円(前年同期比+13.2%)となりました。
タイヤ原料やプリント配線板の防錆剤といった主力製品は、自動車生産の落ち込みや中国のロックダウン・半導体市場の調整を受けて不調だったものの、米国を中心にプール用の殺菌消毒剤が前期に引き続き大きく伸長しました。
もう一方の建材事業は、売上高133億53百万円(前年同期比+4.5%)、セグメント利益14億90百万円(前年同期比▲12.0%)と増収減益でした。
4月に実施した価格改定が浸透したものの、原材料費の急激な上昇を吸収しきれず減益となったようです。
3.その他
来期の業績予想を見ると、売上高は横ばい、営業益は▲25.3%の減益予想となっています。
化学品事業において、市況の悪化と設備投資による償却負担の増加を見込むとともに、営業外での為替差益が剥落する内容です。
基本的にグローバル展開する製造業の来期業績はこんな感じでしょう。景況感の悪化を跳ね返す、うどんのような粘り強い業績を期待したいです。
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