【銘柄分析】石塚硝子(5204)|ガラスからPET容器メーカーへ転換中

こんにちは。相場の養分かもねぎ(@kamonegi_kabu)と申します。

今回は飲料容器メーカーの石塚硝子(5204)を調べてみました。



1.企業概要
2.財務状況
3.まとめ

1.石塚硝子の企業概要

石塚硝子は愛知県に本社がある飲料容器等メーカーであり、創業は1819年と由緒ある企業です。

名称からはガラスびんの会社というイメージを抱きますが、足元ではペットボトルを中心とする「プラスチック容器関連」が売上の38%、利益の70%を占める中心事業となっています。

出典:石塚硝子 19年3月期業績説明資料

日本国内の清涼飲料水市場は緩やかな右肩上がりを続けていますが、容器別の生産量を見ると、ペットボトル容器が大きく増加する一方、アルミ缶・スチール缶・ガラスびんは生産量を落としています。

2018年はペットボトルの比率が74.6%まで伸びる一方、びん詰飲料の比率はわずか1.2%に落ち込みました。
出典:全国清涼飲料連合会
出典:全国清涼飲料連合会

そんなガラスびんメーカーにとって逆風となる市場環境の中で、同社はペットボトル事業を強化することで事業転換を図っています。

以下のグラフは、ペットボトルが含まれる「プラスチック容器事業」の売上・利益の推移となります。
売上は右肩上がりを続け、利益は変動があるものの10年前と比べれば約2.5倍に成長しています。
石塚硝子 各年度決算短信よりかもねぎ作成

石塚硝子のペットボトル事業は子会社の日本パリソンを通じて展開しており、特徴としては、「プリフォーム」という中間製品に特化しており、ペットボトル用では約2~3割の国内シェアを有するトップメーカーである点が挙げられます。

ペットボトルは、PET樹脂を射出し試験管のようなもの(プリフォーム)を製造し、これを膨らませることでボトル状に成型します。

PETボトルそのものは嵩張るため、投資余力のある大手飲料メーカーでは、体積が小さく輸送コストの安いプリフォームを調達し、自社の生産ラインでボトルに成形したうえで充填する…といったことを行っています。

国内ペットボトル市場の拡大とともに、飲料メーカーのコスト低減に繋がる「プリフォーム方式」も需要は堅調なようであり、石塚硝子のプラ容器事業も恩恵を受けてきました。

近年は脱プラスチックの流れもあるため、再生原料を利用したペットボトル用プリフォームの製造にも力を入れているようです。

2.石塚硝子の財務状況

(1)業績推移

続いて石塚硝子の過去の業績推移を確認します。
数値は各年度の有価証券報告書における「主要な経営指標等の推移」を拾いました。

過去の業績はとても不安定ですが、近年は事業の構造転換が進んできていますので、今後は大崩れせずに推移していくような…気もします。自信はありません。

(2)その他

同社は長年の業績不振によって自己資本比率が2割台と低く、将来の設備投資資金を確保するためにも、2019年2月に公募増資・第三者割当増資を行って約10億円(59万株)を調達しました。

資金調達の目的自体はおかしくないのですが、増資した際の株価は1,706円であり、これはPER約4倍(19年3月期のEPS419.8円から計算)というとんでもない安値圏でした。

し、資本コストとは……

3.まとめ

最後に足元の株価指標を確認します。

・予想PER  6.52倍
・実績PBR  0.39倍
・配当利回り 2.05%
・株主優待  あり(100株で1,000円相当のクオカード)


株価は割安圏であり、特有の強みもありそうな企業ですが、安値放置される理由もたくさんあって「うーん…」となる銘柄ですね。

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