富士製薬工業(4554)|23年9月期ざっくりレビュー

富士製薬工業(4554)が2023年9月期決算を発表しましたので、ざっくりと確認しました。

1.決算概況

売上高は+15.4%の増収、営業利益は+2.1%の増益となりました。

以下は長期の業績推移です。

2.事業動向

富士製薬工業は中堅の後発薬メーカーであり、主にX線治療用の造影剤、ホルモン剤や不妊治療薬などの女性医療分野に強みを持っています。

決算資料から主要製品の販売動向を見てみます。

大きく販売を伸ばしたのが「エフメノカプセル(前期比+304%増)」「ウトロゲスタン膣用カプセル(前期比+118.6%増)」の2品目となっています。

「エフメノカプセル」は前期に発売した新薬で、主に更年期障害等に使用される黄体ホルモン剤です。計画比では未達でしたが、来期以降の更なる伸びに期待したい製品です。
「ウトロゲスタン膣用カプセル」は、不妊治療(体外受精)の際に使用される薬剤で、2022年に保険適用となったことを追い風に、計画を大きく上回る売上となりました。

同社は「女性のwell-beingの向上に貢献する」という目標を掲げており、注力している分野を堅調に伸ばせたと言えそうです。

また、製薬企業の国内事業は薬価改定による単価の押し下げが逆風となりますが、当期については、急激な原材料の高騰などによる不採算品再算定により、むしろ+3.6%の引き上げとなったことも追い風となりました。

3.まとめ

来期予想についても強気のガイダンスを出しており、過去最高益を更新する計画です。

不妊治療の保険適用、緊急避妊薬の市販薬化など今後カタリストになりそうな材料も多く持っていますので、いずれ株式市場から見直されることを期待したいです。

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