プライム市場「ギブアップ企業」からお宝銘柄を探せ

どーも、こんにちは。相場の養分かもねぎです。

2022年4月に東証の市場区分見直しが実施され、旧東証1部・2部・マザーズ・JASDAQ市場は、「プライム市場」「スタンダード市場」「グロース市場」の3区分に再編されました。

日本取引所ホームページより
新区分の中でも「プライム市場」は最も上場基準が厳しく、高い流動性やガバナンスが求められる市場です。

しかし、旧東証1部から横滑りでプライム市場入りした企業においては、時価総額などの上場維持基準を下回る場合も、経過措置が設けられ、改善計画の策定を条件にプライム市場への移行が許可されました。

これらのプライム市場の条件を満たしていなかった企業たちが、最近続々と「スタンダード市場」への降格を発表し始めました。

スタンダード市場に移行した場合、TOPIXの構成銘柄から外れることとなり、TOPIX連動ファンドは当該株式を売却します。

TOPIX連動ファンドの時価総額は2021年3月時点で73兆円ほど(低時価総額銘柄をふるい落とすTOPIX改革の本気度(エコノミストONLINE))と言われており、足元の株高を考慮すればざっくり80兆円くらいはあるでしょう。

相当な売り圧力が見込まれます。

なぜ急にスタンダード市場への降格を選択する企業が増えたのか、その謎を解明するため、我々調査隊はアマゾンの奥地へと向かって参ります。。。

1.スタンダード市場への選択申請を行った企業

まずは、過去2か月の間にプライム市場からスタンダード市場への選択申請を表明した企業を以下に示します。


2か月で38社!
3月期決算の企業が多いことを勘案してもかなりの社数です。

表の中には、日本取引所が公開しているTOPIXの構成比率(2023年5月31日時点)と、TOPIX連動ファンドの時価総額を約80兆円と仮定した場合の売り需要(推計)を併記してみました。
こちらは参考程度ということで。

かもねぎの保有銘柄では、4350メディカルシステムネットワーク、2820やまみが該当します。短期間で複数の保有銘柄が同様の内容を開示したので、あれ、何かあるのかな?と感じていました。

2.背景

この背景については、東洋経済オンラインの「東証プライムからスタンダードへ「降格ラッシュ」 「骨抜き」批判から1年、始まったプライムの選別」という記事で解説されていました。

以下、内容を一部引用します。
「背伸び」をしてプライム市場に移った企業群の位置づけは曖昧だった。経過措置の期間は「当分の間」とされており、いつまでプライム市場に残れるのかはわからなかった。改善計画を達成できなかった場合にスタンダード市場へ自動的に移れるのか、改めてスタンダード市場の上場審査が必要なのかも不明確だった。「後者の場合、一斉に移行されると審査の人手が足りなくなる」。証券業界からはこんな悲鳴も上がった。
そこで東証は2023年1月の上場規則改正時、背伸び組に「2択」を迫った。3月期決算企業の場合、2026年3月末時点で上場維持基準に適合しなければ、上場廃止予備軍である「監理銘柄」に指定され、最短で同年9月にも上場廃止となる。スタンダード市場に移る場合には、一度上場廃止してから再度審査を受ける必要がある。
その代わりの選択肢として、早々にプライム市場の上場維持を断念した企業には「特例」を設けた。2023年4月から9月末の間であれば、申請書の提出だけでスタンダード市場に移れるのだ。「上場廃止にならないための、いわば『温情』だ」。東証関係者はこう話す。

なるほど、2026年3月時点で改善計画を満たせない場合は、管理銘柄指定→上場廃止コースとなってしまうのですが、今年の4月~9月の間に「スタンダード市場への移行」を表明した場合は、申請書の提出だけでスムーズに移行ができる経過措置が設けられていたのですね。

3.投資妙味のある企業は・・・?

さて、スタンダード市場移行を表明した企業については、今後(既に?)需給要因によって一時的に株価が押し下げられるだろうと思われます。

これらの企業で投資対象として面白い企業はあるでしょうか?

非保有の中で個人的に気になったのは、6676メルコHD、9351東洋埠頭、2196エスクリ辺りですかね。


スタンダード市場移行を表明した企業のうち、一番異質なのはここですね。

傘下でPC周辺機器のバッファロー、製麺のシマダヤを展開する6676メルコホールディングス(時価総額538億円)です。

プライム市場の上場基準は現時点では満たしていますが、正麺のシマダヤについてスピンオフを計画しており、スピンオフの実施に至った場合は、理論上シマダヤの価値相当分だけ時価総額が減るため、スタンダード市場が適切との説明を行っています。

企業の再編について色々と裏読みをなさっている投資家さんもいらっしゃり、今後の展開に要注目なように思います。


バリュー株として普通に買える水準の銘柄も多く、例えば、埠頭会社最大手の9351東洋埠頭なんかは、PERは8.77倍、PBRは0.44倍、配当利回りは約4%、非常に割安感がありますね。


業績回復株としては、結婚式場運営大手の2196エスクリも妙味があるかもしれません。

ご存じのとおり新型コロナウイルス感染拡大の影響により、結婚式場の運営会社はどこも非常に大きな打撃を受けましたが、コロナの5類移行をきっかけに、日本としても感染拡大をある程度許容しながら経済活動を実施していく方向となり、挙式数・規模も徐々にコロナ前に回復してきています。

コロナ前はEPS90円、株価は1,000円台を付けていましたので、業績回復が確認できれば株価が反発する可能性もありそうです。

4.まとめ

市場の移行に係る経過措置は今年の9月末まで継続しますので、更に7月~9月にかけて、スタンダード市場への選択申請を表明する企業が増えるかもしれませんね。

何か良い銘柄があれば、コメント・SNSなどでも教えていただければ有難いです。

それでは

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